本はあなたの内面を映し出す鏡

日常的に本を読むという行為は脳にとってとても良いことです。抽象化や想像力、集中力、記憶力といった認知能力を向上させてくれますし、進行性の脳の病気を防いでもくれます。ある意味では、脳は筋肉のように働き、読書がそれを使ったエクササイズと言えるでしょう。
本はあなたの内面を映し出す鏡
Fátima Servián Franco

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Fátima Servián Franco.

最後の更新: 21 12月, 2022

“本は鏡である:自分の内面にすでにあるものは本を読まないと見ることはできない”、これはカルロス・ルイス・サフォンによる『風の影』という本からの引用で、読書がどれほど個人的なものかを語っています。私たちの本の好みはそれぞれ異なります。例えば、感情移入しやすい人々は小説を好みますし、もっと衝動的な人々はアクション系を好み、想像力豊かな人々はフィクションを好むようです。

二人の人間が同じ本を読んでも捉え方は決して同じにはならない。

読書愛好家にとっては、帰宅して素晴らしい本とともに外の世界をシャットダウンすることほど素敵なことはありません。読書は新しい生活、文化、そして新しいものの見方への扉を開いてくれるのです。さらに、脳のコルチゾール値を下げてくれるのでリラックス効果もあります。

日常的に本を読むという行為は脳にとってとても良いことです。抽象化や想像力、集中力、記憶力といった認知能力を向上させてくれますし、進行性の脳の病気を防いでもくれます。ある意味では、脳は筋肉のように働き、読書がそれを使ったエクササイズと言えるでしょう。

読書の習慣をつけることは、人生が複雑になってきてしまった時に逃げ込める避難所を建てるようなものです。あなたを抱きしめ、一人ではないのだという気持ちにさせてくれるのです。そして、登場人物たちとともに物語のなかに自分が入り込み、自分自身の物語にせずにはいられなくなります。だからこそ本は鏡なのです。

本は内面を映し出す鏡

本は集中力を高めてくれる鏡

読書を始めると左脳が作動し始め、他の領域も活性化させるためにフルスピードで動き出します。コレージュ・ド・フランスの神経学者スタニスラス・ドゥアンヌによると、本を読む能力が脳を修正してくれるそうです。

ワシントン大学の心理学者ニコール・K・スペアは、私たちは読書によって想像したものを再現することができると述べています。実は、私たちは登場人物が本の中でしていることを実際に行なっているかのように脳を活性化させているのです。

読書は脳に栄養を与えてくれます。

読書は、脳を発達させるための手段として明らかに最も有益なものの一つです。読書を通して脳のエクササイズを行えば、集中力を磨くことができます。読書はシンプルな動作に見えるので少し不思議に思えるかもしれません。しかし本の読み方を学ぶことは、文字や言葉に新たな価値を見いだすことを意味します。つまり周りの気を散らせる環境に敏感になってしまうという自然な傾向に争っているということです。

この傾向があるのは、進化心理学によれば、私たちの祖先は周囲に敏感でないと命の危険があったからです。もし狩猟者が周りからの刺激に注意を払っていなかったらどうなってしまうでしょう?

彼らは動物に貪り食われたり飢え死にしてしまったかもしれません。だからこそ、読書をしている人のようにただ座って集中している状態というのは進化における大きなステップだと見なされているのです。進化により、私たちは周囲の危険に常に目を光らせたりすることなく休息の時間を得られるようになりました。

子どもの集中力を高めてやりたい場合は、読書を習慣づけるよう声をかけてやるといいでしょう。お子さんに毎日たった20分の読み聞かせをしてあげるだけでも注意力や集中力を高めることにつながります。この二つの能力はその後の人生で成功を収めるために確実に必要になってくるものでしょう。

“読書が完全な人間を作り出し、協議が用意周到な人間を、そして執筆が几帳面な人間を作り出すのだ”

フランシス・ベーコン

本 内面を映し出す鏡

読書は仕事における成功を左右する

20年間以上にわたり、オックスフォード大学の研究チームは約20,000人の若者の習慣や活動を分析しました。彼らが調べようとしたのは、どの活動によってその後彼らが30歳になるまでに仕事で成功するかどうかが決まるのかという点です。それらの活動の中で読書のみが仕事上の成功に影響を与えていると考えられました。スポーツや映画鑑賞といった他の活動にはなんの影響力もなかったのです。

コレージュ・ド・フランスの実験心理学長で神経学者のスタニスラス・ドゥアンヌによると、本を読む能力は私たちの脳を修正してくれます。本を読む人の脳には、読まない人よりも多数の灰白質が存在しています。

“人生は常に教育であり続けねばならない”、フランスの作家ギュスターブ・フロベールほど上手くこれを書き表した人はいません。世界は変わり続けています。ですので、読書を通して継続的に自分自身を鍛えておく方が職業上有利なのです。

私たちは常に最新の情報を手に入れ、新たな環境へ向けて準備しておかなければなりません。ジムへ行って体を鍛えるだけでなく、認知プロセスも向上させるべきでしょう。こちらもまた、鍛えがいがありますよ。

“本には他の何物にもできないやり方で私たちの心を開き、視野を広げ、私たちを強くしてくれるのだ”

-ウィリアム・フェザー-


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