ほんの数分で不安が解消する3つの呼吸エクササイズ
あなたは突然、恐怖感や不安感に圧倒されてしまうようなことはありませんか?あるいは、何か恐ろしいことが起こりそうな気がすることは?ストレスに参ってしまったり、ノイローゼにかかりそうになったりしませんか?一見、難しいようにも感じられますが、呼吸のエクササイズを行うことで不安を素早く簡単に解消することができます。
言うだけなら簡単だと思うかもしれません。それもある意味正解です。そもそも、不安やパニック、人前での緊張のまっただ中で呼吸のことを思い出すには、事前に呼吸エクササイズを練習しておかなければ難しいはずです。
そのため、普段から不安感にお悩みのあなたには、それほど深刻でない症状が出てきたときのためのトレーニングとして、今回ご紹介するエクササイズを何度も行ってみることをお勧めします。いざその効果が必要なときに実践できるようになるはずですよ。
不安の解消に役立つ呼吸エクササイズ
ゆっくりと呼吸して、肺を空気で一杯に満たしましょう。ここでは一つの動作だけにしっかりと集中します。身の回りで起こっていることや、頭の中をぐるぐる回っている考え事など、他のことは考えないようにします。ゆっくりと、静かに、呼吸だけに意識を合わせましょう。
その効果は心を静めることだけではありません。ほんの少し行うだけで、体の感覚も変わってくるのです。これは、ゆっくりとした深い呼吸に集中することで、脳に「落ち着きましょう」とメッセージを送るためです。同時に脳は体中に指令を送り、その結果穏やかな感覚を得ることができるのです。
不安感があるときも同じです。こういった状況では、数回の深呼吸を行うだけで、身体的にも精神的にも落ち着いてくるのが感じられるはずです。
呼吸エクササイズで不安を解消
不安の発作が起こったときにありがちなのは、ゆっくりと呼吸をするどころか、まるで十分に酸素を得られないかのように呼吸が速まる感覚に陥ってしまうこと。そうするとさらにパニックになり、脳を混乱させるようなあらゆるシグナルが発されます。その反応として脳から全身に指令が送られることで、酸素濃度や二酸化炭素濃度のバランスが崩れます。
呼吸のコントロールが戻ると、脳は酸素濃度と二酸化炭素濃度を修正するようシグナルを受け取り、症状が緩和して感覚も落ち着いてきます。そのため、不安の症状を感じ始めたらすぐに、さらには発作が誘発される前から、呼吸エクササイズ行うことが大切なのです。
簡単な腹式呼吸
この呼吸法はとてもシンプルながら、効果的でもあります。腹式呼吸法は以下のステップに従って行ってください。
- 座るか、仰向けに寝転がって楽な姿勢をとります。目を閉じ、肩の力を緩めてリラックスしましょう。片方の手をお腹に、もう片方を胸に当ててください。
- ゆっくりと、鼻から息を深く吸い込みます。お腹をふくらませて、胸を広げます(胸はあまりふくらませないように)。
- あごの力を抜いて、ゆっくりと口から息を吐き出しましょう。お腹をへこませ、胸を元の状態に戻してください。
これを何度か繰り返します。効果を高めるために、なるべくゆっくりと数えながら4拍で息を吸い、4拍で吐き出してみましょう。何度か繰り返した後、4拍で息を吐く前にしばらく息を止めるようにすると、さらに効果を高めることができます。また、息を吸う前にも4拍息を止めるとより一層良くなります。
片鼻呼吸法
このエクササイズは少し複雑ですが、とても効果的です。習慣化すると簡単にできるようになるでしょう。片鼻呼吸法を行うには、以下のステップに従ってください。
- 右手の親指で、右の鼻孔を塞ぎます。
- 左の鼻孔から息を吸います。
- 人差し指で左の鼻孔を塞ぎ、右の鼻孔から息を吐きます。
- 指を動かさず、右の鼻孔から息を吸い込みます。
- 親指で右の鼻孔を塞ぎ、左の鼻孔から息を吐きます。
要するに、片方の鼻孔から息を吸い、もう片方の鼻孔から息を吐いて、これを左右交互に行うエクササイズです。心も体もすっきりして、集中力が高まりますよ。
ウジャイ呼吸
この呼吸法は不安を和らげるのに役立つヨガのテクニックです。ウジャイとは「勝利の呼吸」を意味する言葉で、何千年もの間ハタヨガの修練に用いられてきました。「海の呼吸」としても知られています。
ウジャイ呼吸を行うには、以下のステップに従ってください。
1.練習
- リラックスして座り、鼻から深く息を吸い込みます。
- 鏡を曇らせるようなイメージで、ハーっと口からゆっくりと息を吐きます。
- 何度か繰り返して、この喉の感覚をつかみましょう。
2.ウジャイ呼吸
- 鼻から深く息を吸い込みます。
- 先ほど練習した喉の状態を再現しつつ、口を閉じたままゆっくりと息を吐き出します。貝を耳に当てたときのような音がするようにしましょう。
- これを何度か繰り返します。
不安感に支配されそうになったときは、呼吸をしてみてください。今回お勧めしたものやその他の呼吸法を練習すればするほど、不安を和らげやすくなってくるはずです。
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