意識の高い消費者になるためには?

欲しい商品やサービスを手に入れるための能力は常に成長しています。だからこそ、今こそ意識の高い消費者になることが重要です。
意識の高い消費者になるためには?
María Alejandra Castro Arbeláez

によって書かれ、確認されています。 心理学者 María Alejandra Castro Arbeláez.

最後の更新: 21 12月, 2022

近年、私たちは過剰な量の商品やサービスや情報の流れに、防御ネットもない状態で晒されています。人々に「これがないと生きていけない」と思わせるような商品を作ることを重視している企業は、知能の高い人々を雇い、そういった商品を生み出させるために彼らの持つ全ての時間と労力を費やさせます。

新たなニーズを生み出そうとするか、あるいはすでに存在する購買意欲を促進しようと知恵を絞っているのです。血迷ったマーケティングや大量消費主義が当たり前となった今、意識の高い消費活動について議論するのことは非常に重要です。

まずは定義付けから始めていきましょう。ケンブリッジ辞典によれば、大量消費主義社会とは「人々が新しい商品、特に彼らには必要ないような商品を頻繁に購入する社会、またたくさんの物品を所有することが高く評価されるような社会」であるとされています。また同辞典によると、この状態について知ることは「自分自身や自分の周りの環境について把握する」ことだそうです。

したがって、意識的な消費は、持続可能性の高い商品やサービスの購入に関わっています。また、消費活動が自分の身の回りに与える衝撃を知っておくという責任を踏まえた上での選択を促進するものでもあります。つまりこれは、自分自身や他者、そして自然環境を考慮して消費を行わなけれないけないという考え方です。

意識の高い消費者になる

意識的な消費で、障壁を取り払う

意識的な消費とは、消費活動により自然や生物にもたらされる影響に無関心でいるのをやめるよう推奨するムーブメントです。さらに、自分がどんなことにお金を費やしているのかについてしっかりと熟考することを促してくれるものでもあります。つまり、どんな人でも意識の高い消費者になることは可能だということです。

意識の高い消費者になるためには、これまで以上に自らの行動や思考、そして感情を把握できるようにならなければなりません。これにより心の中の自分と対話がしやすくなるので、自分にはどんな選択肢があるのか、そしてなぜ自分はその選択をしようとしているのかについても認識できるようになります。それができれば、もっとアサーティブな消費者になることができるのです。

自分の消費行動が、自然や人にどのような影響を与えるかについても重視することが重要です。そのためには思いやりや共感の心を養わなければなりません。両者とも、他者と健全な交流をするための素晴らしい手段です。

これに加えて、差し当たり必要なもののことだけでなく、環境のことも頭に留めておくことが大切です。そのために、環境のために自分にはどんなことができるのかを考えてみてください。全てを一度にやらなくてはいけないわけではありません。重要なのは、環境への負荷がより少なく、全ての人、そして生き物のウェルビーイングを良いものにするためにより適切な代替品を選ぶようにすることです。

上手く情報を取り入れる方法

現代の消費活動の大部分は、人々にモノを買わせたりサービスを利用させたりするための情報ベースの戦略に基づいたものです。意識的な消費とは、消費活動の一切を排除するというものではありません。そうではなく、本当に必要な物だけを選び、全ての人にとって望ましいような製品やサービスを見つけるということなのです。したがって、私たちは情報の重要性をきちんと考慮しなくてはなりません。

意識の高い消費者が負う責任の一つに、自分は過剰に供給される情報の罠に陥っているだけなのか、あるいは本当に必要で自らのウェルビーイングのために重要な情報を選べているのか、どちらなのかを判断するというものがあります。だからと言って、デジタルマーケティングを目の敵にしろというのではありません。ただ、それを自分のために有効活用し、境界線を設けて利用すべきだということです。

結局のところ、意識の高い消費者というのは自分たちが世界に与える影響について認識できているものです。したがって、何らかの消費を行う時には「私には本当にこの製品が必要なのだろうか?」、「これを生産する過程で人や環境にどのような影響が及ぼされたのだろうか?」と自問してみてください。

また、ポジティブな投資や商品の入手を促進するような取り組みに関する気づきを広めていくお手伝いもできるはずです。お気付きではないかもしれませんが、あるいはこれまで十分に周知されていなかったかもしれませんが、実は私たちにもできる小さな取り組みがたくさんあります。

信条と価値観

Albert Vinyals i Rosが自身の博士論文で記述していたように、持続可能な消費について語ることは、気候変動の存在の証拠がどんどん現れてきているこの社会においては広く受け入れられるはずだ、と考えられています。しかし、どうやら人々の言っていることとやっていることとの間には大きな隔たりがあるようなのです。

何を購入するか決める時、最も考慮されない要素の一つが自然環境であることが、いくつかの研究で示されています。価格や見た目の美しさといった要素の方が重視される傾向が高いのです。

したがって、消費活動が意識的な形で行われるようになるには、人々はできる限りポジティブな影響をもたらす商品やサービスを高く評価する姿勢を取り入れなければならないのです。これにより、人類の、そして地球のウェルビーイングが促進されます。このために役立つその他の価値観が、以下のようなものです。

  • 敬意
  • 真心
  • 利他主義
  • 共感
  • 倫理観

そして、意識の高い消費者たちは必要最低限のものだけを所有することの価値を知っています。また倫理的な助言をすることもあり、自らが購入することのみならず、他人に勧めることで得られるポジティブな結果についても理解できているのです。さらに、社会的責任をきちんと果たしている企業から商品やサービスを購入しています。

モチベーション

人は、特定の行動がある種の利益を生むと分かるとその行動を強化させるので、同じ行動が繰り返される可能性が高くなります。事実、人々が意識の高い消費者になることを妨げている要因の一つに、快適さや手軽さが強力なモチベーションになっているという事実が挙げられるのです。意識の高い消費者になるためには、コンフォートゾーンから一歩踏み出す必要があります。

コンフォートゾーンから抜け出すためには、本質的なモチベーションが求められます。つまり、ポジティブな影響力を得ようとして行なっている行為そのものから満足感を感じられるようにならなければいけないのです。これを実現できれば、革新的な消費活動に携われるようになっていきます。

消費の習慣

習慣とは、繰り返し行われる形態の行動のことです。したがって、意識の高い消費者になるためには、習慣をより持続可能なものに変えていかねばなりません。ただ、自身の感情や懐事情と調和のとれた習慣にすることが必要です。そうでないと、長期間に渡ってその習慣を続けていくことはできません。

習慣を変える一つの手として、楽さや快適さを優先せず、怠惰な姿勢をやめるというものがあります。怠けていると物事の先延ばしに繋がり、結局生活に何の変化も見られないまま時間だけが過ぎていくということになってしまうでしょう。

また、これまでよりも環境に優しい選択を行うための参考になるような本やガイドブックを読んでみるのもオススメです。例えばダニエル・ゴールマンの本などは、自分が購入したり使用しているモノが持つ隠れた影響力について気づかせてくれるような内容になっています。

意識の高い消費者になるために

計画を立てることで、意識の高い消費行動に繋がりやすくなる

しっかりと計画を立てることも、意識の高い消費者になるための一つの方法です。これにより優先事項がはっきりするので、それに従いやすくなります。一方で、自身の購買力や価格なども重要な要因です。そこには、自らの将来を危険に晒さないようにするという前提も含まれます。

また、お金の使い方のプランも立ててみるといいでしょう。意識的な消費というのは、単に環境や他人に配慮することだけで成立するわけではなく、自分自身のことも大切にしようというものです。「この商品を購入することは自分にとってプラスになるのだろうか?」、「この商品はどのように私の心身の、そして社交面の健康に害あるいは利益を与えるのだろう?」などと自問自答してみてください。

最後に、私たち一人一人が意識の高い消費者になって他人にもそのような行動を促す能力を持っています。これは自然環境にとっても、他者にとっても、そして自分自身にとっても非常に有益です。全員が協力して消費活動に伴う環境や社会への影響を常に念頭に置くことで、私たちは自らのクオリティ・オブ・ライフを高めることができます。


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  • Vinyals I Ros, A. El consumidor consiente análisis de los factores psicosociales implicados en el consumo sostenible a partir del estudio de miembros de cooperativas de consumo agro-ecológico. Universitat Autònoma de Barcelona.

  • Goleman, D. (2010). Inteligencia Ecológica. Barcelona: Kairos.


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