自我の芽生え

自我の芽生えで最も重要な時期は、子どもが6~18か月の時です。鏡像段階で、鏡の中の自分を認識しようとします。その像に興味をもち、感覚を楽しみ、喜びを得ます。
自我の芽生え

最後の更新: 06 6月, 2019

自我の芽生えは、発達と学習の過程を通して説明することができます。感覚と運動技能を取得する中で自我は発生します。自我の誕生と発達は、心的装置の中心であり、注目に値します。私達の欲求、活動、抑制の核になっています。

自我が芽生えると、人は、自分の対象と関連付け始めます。まず、子どもが感じる外的対象は、自分です。少しずつそれを内在化し、心的構造が生じます。また、それは、自己の感覚の統合に役立ちます。

 

自我の誕生の過程

子どもは生まれた時、自分と世界の違いが分かりません。対象のイメージと自分のイメージが区別できない中で、物事を取り込み始めます。感情のおかげで、私達は自分と世界の境目を識別し、分け始めます。

1~2歳の間に、子どもの認知能力は高くなります。その結果、対人関係における異なる役割を認識し始めます。少しずつ、主観と客観の識別や認識が始まります

自己アイデンティティは、総合的機能の産物です。ここで、対象は、まとまりをもって繋がり、統合されます。これが自己の構造のもっとも高いレベルです。一部は、自己と客体の相互関係のおかげです。

自我の芽生え

 

エゴを形作る鏡像段階

自我の芽生えで最も重要な時期は、子どもが6~18か月の時です。鏡像段階で、鏡の中の自分を認識しようとします。その像に興味をもち、感覚を楽しみ、喜びを得ます。

この鏡は、人と周囲との関係を表します。自分の体と虚像の認識は、自己の断片化のない健康的な発達の印です。あまり世話をしない、または、子どもを傷つける父親や母親も、その像を作ります。ところが、同時に、断片化が起こっているかもしれません。これは、精神的問題に発展しかねないのです

この年齢の赤ちゃんは誰にでもなつくわけではありません。なついたとしても、それが期待しているものを反映する像と違った場合、不安になることがあります。例えば、6か月の赤ちゃんは、知らない人ではなく、母親を見ます。子どもは母親を認識しているのではなく、むしろ、母親を通して、自分を認識しているのです

対象のある安定した関係の中で自我は形成されます。あらゆる場面で子どもがもつ、満足する経験が元になり自我は芽生えます。言い換えると、子どもは自分自身を見るための像を取り込んでいくのです(最初の分離)。

 

個性化

人が自己に気づく過程を、まとめて個性化と言います。この過程が完成すると、無意識と意識により、自我はより広い個人へと統合されます

これが自己の発見、統合、精製の過程です。自己の元型的像が発生すると、完成します。

 

自我の3つの機能

心と体は一体で、融合し、お互いに関連性があります。その結果として、「自我」、心と体の結束は、3つの主な機能を果たします。

  • 管理-自我は、本能的な衝動を調整し、管理します。物事を感じたり、抑制することにより、脅威の可能性を含む刺激に直面する時、自我が防衛します。
  • 適合―自我は内的・外的現実と関わり、それに適応しようとします。
  • 統合―これは、人生の様々な面を自我が統合する力です。

現実により良く適合するため、動機づけのエネルギーの過剰な流れに対し、自己は自分を守ることができます自我は、様々な機能の総合体であるかのように、主導的です

自我の芽生え 自我の機能

 

自我の自律

2つの構造により、「自我」は構成されます。ひとつ目は、「イド」(衝動)と衝突しない自我の領域です。これは、記憶、思考、言語に対応し、後に、「自我の一次的自律」と呼ばれるものです。これは、衝動(イド)に対する防衛として生じる機能ではありません。

本能的、攻撃的なリビドーエネルギーの非本能的エネルギーへの変化は、「イド」(衝動)により、中和されます。衝動と欲望の葛藤から生じたものでない、この自律発達をハルトマンは「一次的自律」と呼びました

ふたつ目の自我の構成、自我のふたつ目の機能は、機能の変化の中で発生します。この変化は、衝突のない領域に対する道徳性、現実、動機づけの衝突の自我の構造により、この変化が生まれます。

たくさんの著者の中でも、フロイト(「イド」の心理学)、ハルトマン(自我の心理学)、コフート(自己心理学)は、心理学の世界で、「自我」を中心に置いた人物です。これらの様々な精神分析学的観点から、私達は、自我の誕生がどのような働きをするか、より良く理解できます。

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