回避型の愛着とは

· 2018年1月4日

愛着というのは、世話をしてくれる人や安全を与えてくれる人との間の、強い感情的な絆です。もちろんこれは、人生の始まりには非常に強いものです。この時期は、生き延びるには周りの人たちの保護に完全に依存しています。その意味では、愛着は生存の保証あるいは保険のようなもので、自然に生まれるものですが、同時に初期の人間関係の性質を方向づけるものでもあります。

世話をしてくれる大人がその役割をうまく果たしてくれるときは、気分とは関係なく安定型の愛着が築かれるでしょう。相手に依存しているわけですが、そのことが不安やフラストレーションを生むことはありません。反対に、世話をしてもらえなかったり拒否されているときは、不安定な愛着が生じてしまいます。これは、苦悩に満ちた愛憎併存の依存関係なのです。

「嫌悪や愛着のような敵は、脚も腕もなく、勇気も能力もない。それならなぜ私を奴隷にすることができたのだろう」-寂天-

幼児期にこれらの絆をどのように築き上げたかが、意識的に対策を取らない限り、その後の他人との愛情関係の作り方に大きく影響すると思われます。つまりこれらの絆が、消すことのできない深い跡を残すと言えます。成人を観察すると、幼児期に各自が持っていた愛着のスタイルを踏襲する傾向があるとわかります。生まれてすぐの愛着の関係を通して、正しいか正しくないかは別として、他人に何を期待できるのか、できないのかを学んだのです。

愛着理論

イギリスの精神分析学者ジョン・ボウルビィは、愛着というテーマに着目し、その理論を確立しました。彼は観察により、私たちには絆を築き上げる系統学的要素があるということを明らかにしました。これは特に、保護と安全を与えてくれる全ての人、あるいは与えてくれるべき人との絆です。

メアリー・エインズワースと赤ちゃん

その後、心理学者メアリー・エインスワースが愛着を、安定型・葛藤(両面感情)型・回避(拒絶)型の3タイプに分類しました。彼女の研究によると、大半の人々は1つ目のタイプの愛着をもつが、少なからずその他の2つのタイプを持つ人々がいるとのことです。

安定型の愛着の場合は、強く自然な愛情の絆を結ぶことができます。不安定な愛着(葛藤型、回避型)の場合は、他人との親しい絆を結ぶ際に、強い抑制と困難が生じます。

愛着のタイプの起源

両親が子供に対しふさわしい態度で適切な時間接していれば、強く安心な絆が結ばれます。この場合、子供たちは予想できる態度をとります。母親が離れると、子供たちは泣き、少しの間落ち着かなくなりますが、その後周囲に注意し始めます。母親が戻ると、喜び、愛情を表します。

赤ちゃんと両親

両親が冷たく接したり、あるいは子供を拒絶するような素振りを見せたり、もしくは反対に気に掛けすぎていると、子供は不安定な愛着をもつことが多くなります。このような場合、子供たちは自分の欲していることが満たされていない、または満たされなくなると恐れ、そこから不安が生じたり、放置されたり無関心にされることから身を守る手段として親と距離を置くことがあるのです。

回避型の愛着の影響と、それをどのように乗り越えるか

回避型の愛着の影響は、大人になってからの生活にも響いてきます。このような環境下で育った子供たちは、自分の感情をほとんど表現できない大人になってしまいます。しかも、表現の問題だけでなく、感情を感じることや認識することにも問題が出てきます。何事にも誰にも愛情をもたないようにし、他人に対し無気力で、自分自身の気持ちにも非常に無関心になったりします。

彼らにとって意識できる内面は重要ではなく、問題の解決を外の世界に見つけようとする。

泣く赤ちゃん

この状況は、特に恋愛関係に影響を及ぼし、彼らは愛する人を失うことを極度に恐れます。そこで、感情を表さない、あるいは最小限にすることで、起こりうる苦しみから身を守れると思い込み、現実の対話から逃げ、来るであろうものに圧倒されているのです。順応できないことを言葉で表現する代わりに、泣きじゃくったり、衝突するふりをしたりします。落ち着いて愛することができず、重大な脅威にさらされているように愛するので、非常に苦しみます。そして、多くの場合はその脅威が一体何なのかも分かっていないままです。

愛着のタイプは維持される傾向がありますが、和らげたり磨いたりすることはいつでも可能です。時に、愛する人を失うという経験が、この点について内省と変化をもたらします。また心理セラピーを通して成果を挙げられることもあります。あるいは、このことを自分で意識し、より建設的な形で世界と関係を持つことを学ぶために個人で努力することも可能です。

回避型の愛着を克服することは、人と自分の内面との間に存在する関係を修復することになります。それは多くの場合、正体不明の苦痛の原因である傷ついた自尊心を取り戻すことです。この関係が健全になった時に初めて、人は周りの人たちの内面について考えることができるのです。そして自分の感情について考えた時に初めて、他人の感情によりそう共感が生まれる可能性が出てきます。

つまりこの意味では、コミュニケーションの型を変えることは非常に重要です。他の人が受け入れ、認め、場合によってはよりそうチャンスがあるように、コントロールされた感情の表現ができるように、良い面も悪い面もよく観察してください。

こう言うと簡単そうに聞こえますが、身につけるのが難しければ、身につけたことを手放すことはさらに難しいのです。幼児期に学んだこと、あるいはその大部分は私たちの土台であり、今日私たちを特徴づけている知識や習慣をその上に積み上げてきたのです。ですから、多くの場合、専門家の援助を受けることをお勧めします。でなければ、愛着のスタイルのような、非常に重要なものを動かすことで起きる地震が、自分を壊してしまうかもしれません。