感情の振り子:沈黙から叫びまで
感情に関しては、人は無知と言っても過言ではありません。考え方や何を価値あるものとするかは教えられますが、感情の対処法は学びません。道徳や倫理が行動を導いてくれる、と教えられるだけです。しかし、感情はより重要な役割を果たしています。それなのに学校では扱われない題材です。だから、大人になった時、多くの人が自分の感情の対処法をわかっていません。これでは感情の振り子状態になってしまうかもしれません。
人は、最も誤解されている感情である「怒り」の処理の方法をあまりわかっていません。感情の振り子は、人が自分の悲しみをため込んだり、他人との間の問題に対して何も言わなかったりするときに起こります。しばらくすると、すべてがたまりにたまって、圧力鍋のごとく爆発します。振り子は、沈黙と叫びという両極端を見せます。
自分の感情、特に怒りを恐れるとき、人は感情の振り子状態になります。こういった人は、他人が自分に接する時に、どう限度を設定すべきかも分かりません。だから、2つの両極端の間を行ったり来りして、自分の攻撃的な感情に不適切に対処します。しかし、自分の感情により良く対処する方法は学ぶことができるのです。
振り子と自制
感情的な振り子を持つ人の多くは、自制を理解していません。自制を抑制と混同しているようです。この2つは全く違います。自制は意識から生まれますが、抑制は条件や恐怖から生まれます。
2つの主な違いは、自制を行う人は高い感情的状態に陥る前にこの能力を育てるということです。別の言葉で言えば、平穏状態を維持するために必要な努力を行います。そのため、自制を行う人は感情的なバランスを失うことはあまりありません。
逆に抑制は、封じ込めを意味します。感情を激しく感じて、それを表現することを避けることです。こういったケースでは、内面と外面の間に齟齬があります。
好ましくない状況が悪化するのを避けるために、抑制を利用しなくてはいけないことがあるのも事実です。しかし、抑制傾向を持つ人はその一歩先を行きます。現実には自分を表現したいのに、なぜかできないという状態です。
感情的振り子の悪循環
自分を抑制する傾向にある人は、感情の振り子を見せます。この抑制は、全くの沈黙や引き裂くような叫びの原因です。自分を煩わす何かを表現できないと感じます。怒りなしには、この不一致を表現できないと思ってしまうのです。結果、これが対立につながります。これこそまず避けたかったものであるのにです。
さらに、自分が納得いかないことを表現する権利が自分にはないと思います。なぜか、自分の感情は表現して他人に伝える価値がない、意味がないと思い込んでしまうのです。黙り込んで、自分を抑制します。何かや誰かが、彼らの感じていることを表現してはいけないと信じ込ませたためです。
ため込んでいた不快感は、沸点に達します。これが感情に乗っ取られるときです。中に押さえつけていたものは、いつか爆発する時限爆弾のようです。このサイクルは何度も何度も繰り返します。
抑制をなくしてアサーティブに
このような極端な感情の振り子に陥らないようにする方法が1つあります。それは明白です。納得がいかないものは感じたときにすぐ口に出しましょう。「適切な」時を待ったり、発言する理由でいっぱいになるのを待ったりしないで言ってしまいましょう。すぐさま口に出すことで、感情的な重荷は怒りをため込んだ場合に比べて重くはなくなります。
自分の中にため込んでおくことは、わなを仕掛けているようなものです。アサーティブになるのが物理的に不可能になるときが来てしまいます。抑制された感情がたまりすぎてしまったときです。アサーティブネスは、他人が自分を適切に理解できるように物事を言う能力です。はっきりとしつつ敬意を持ちましょう。一貫性を持ってください。考えていること、感じていることを口に出しましょう。
たくさんの蓄積された怒りがあり、爆発してしまったとき、アサーティブになることは出来ません。怒りや憤怒は私たちを盲目にして、コミュニケーションを許しません。抑制が役立つことはないのです。逆に、わたしたちを内から蝕み、他人をも傷つけてしまいます。
引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。
- De Chávez Fernández, M. A. G. (1999). Algunos conflictos psíquicos actuales de las mujeres. La inhibición (Prescrita) de la pulsión hostil: la represión de la agresividad y la asertividad. In Hombres y mujeres: subjetividad, salud y género (pp. 133-200). Servicio de Publicaciones.