感覚遮断とその恐ろしい効果

08 12月, 2019
長期にわたる感覚遮断を経験すると、知覚、認知、感情に大きな影響与える場合があります。専門家は、社会的遮断にも同様の効果があるとしています。

感覚遮断に関する最初の研究は1950年代に遡ります。しかし、その10年前に既に秘密の研究があったとも言われています。カナダのモントリオールにあるマギル大学の研究者が、ボランティアを募り感覚遮断に関連する実験を再び行いました。

基本的に感覚遮断とは、1つまたは複数の感覚に適用される刺激の部分的または全体的な制限を意味します。視覚、聴覚、触覚、またはすべてを同時にブロックします。治療や研究、および拷問に使用されています。

残念ながら、拷問に使われることにより、人々は感覚遮断に興味を持ち始めました。第二次世界大戦後、暴力を使うことなく囚人を自白させることができる方法として注目を集めました。看守が環境刺激から感覚を奪うことで、囚人の意志力に大きな変化をもたらすのに十分な拷問だったのです。

感覚遮断

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実験条件

感覚遮断に関する3種類の実験条件が採用されました。

1つ目は、1954年のベクストン、ヘトン、スコットによる研究です。2つ目は、1958年のウェクスラー、メンデルソン、リーダーマン、ソロモンの研究です。3つ目は、1960年に実施されたシャーリーの研究です。

  • 第一の実験。感覚遮断は絶対的なものではありません。被験者は、孤立しているけれども明るい部屋のベッドに横たわります。暗い眼鏡をつけ、手袋をはめ、いくつかのカプセル状のボール紙を手につけます。そして、そこで2~6日間過ごします。
  • 第二の実験。被験者は動きを制限するカプセルの中にあるマットレスの上に横たわります。このカプセルは、むき出しの壁と最小限の光量のみが提供された空間です。この状況で36時間過ごします。
  • 第三の実験。研究者は、完全に裸の被験者を水槽に沈めます。呼吸を可能にするマスクを着用しますが、何かを見たり聞いたりすることはできません。タンクの底には触れません。できる限りこの状況を維持します。

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感覚遮断と知覚プロセス

まず、これらの条件が知覚プロセスを変化させるかどうかを評価しました。その結果、感覚遮断により、非常に強い視覚的混乱を伴うことが判明しました。被験者は、動いていないものが動き、その形状またはサイズが変化しているように感じたのです。

壁が移動したりテーブルが歩いているなどの錯覚も見るようになります。また、視覚感度のレベルも高くなります。数日経つと、刺激をよりゆっくりと知覚します。まっすぐのものを「S」のように曲がってみるようになります。また、その他の幻覚も経験しました。

触感と空間、時間の認識に関しても見当識障害が出てきます。研究者は、社会的孤立の影響が感覚遮断の影響といかに似ているかを示しました。

認知効果

被験者の多くは、実験に参加した期間を使って、今まで時間がなかった個人的な問題についてじっくり考えてみようと考えていました。しかし、最初はそれができたものの、時間がたつにつれて、自分の考えに集中することが難しくなりました。しばらくすると、30数えることさえできないようになっていたのです。

実験後に被験者は情報を記憶および保持する能力が向上することを発見しました。しかし同時に、数学的な推論を抽象化し、一般化し、受け取る能力が低下しました。

驚いたことに、学習能力は、感覚の喪失を経験した人の方が経験しなかった人より向上していました。ただし、48時間以上刺激を与えられないと、特に運動能力が著しく低下することが判明しました。

感覚遮断

感覚遮断に関するいくつかの興味深い結論

簡単に言えば、実験による感覚の喪失を通じて擬似的精神病を誘発することが可能であることが証明されました。実験が終了し、参加者が通常の生活に戻ると、すべての能力も通常通り回復するため、それは一時的な擬似の精神病です。

最も興味深いことは、いわゆる「正常な」人が感覚の遮断中に幻覚を経験したことです。しかし、統合失調症と診断された人では、幻覚は消失する傾向がありました。

同様に、各個人の個性が感覚遮断をどのように経験するかにおいて重要な役割を果たすことがわかりました。 すべての被験者は状況に順応するため努力をしますが、多くの人は過去に焦点を合わせ、うつ病になる傾向がありました。また、誰もが暗示にかかりやすくなりました。このように、感覚遮断を利用した心理的拷問の影響はさらに深刻で、心理療法の影響も大きくなることが判明したのです。

  • Ardila, R. (1970). Privación sensorial. Revista Interamericano de Psicologia, 4, 253.