完全な許し:過去の痛みが消えるとき

2019年8月18日
人間は間違いを犯すもの。だからこそ、許すことで幸せな人生を楽しむことができるのです。

誰かに傷付けられると、私たちはまず怒ります。傷付けた人を許すことなど考えられません。気分を害し、失望し、傷つきます。しかし、この自然で一般的な反応にはマイナスな面もあります。誰かに傷付けられたとき、平和と幸せを見つける唯一の方法は完全な許しなのです。

相手を敵対視することで再び傷付かないようにすることは短期的にはできます。傷付けられた人を許したくない理由はこれです。しかし、長期に渡って根に持つことは、もはや存在しない状況に取り残されることになります。過去に対してのこの激しい感情は、不必要な苦しみをもたらす可能性があります。

最もネガティブな心の状態には憎しみと怒りの2つがあります。許す方法が分からないと、この2つの感情は長い間消えることはありません。セネカは憎しみと怒りを、感情の中で最も恐ろしく狂気じみたものと説明しました。ほとんどの場合で、単に恨みを手放すよりも恨みがもたらすダメージの方が遥かに悪いのです。恨みを手放すことは、実は有益なことでもあるのです。

しかし、傷付けられた相手を許すことはそう簡単ではありません。怒りや憎しみの感情を抱き続けることは無益だと理解すれば許しの段階に進むことができますが、問題はどのように相手を許すのかということです。

完全な許し 過去の痛み 消える

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矢で撃たれた人を見かけたら、矢がどこから飛んで来たのかなどは考えません。また、矢がどんな木材からできているかもどうでもいい話です。矢で撃たれた人を見かけたら、まずは被害を最小限に抑えるべく矢を引き抜く最善の方法を見つけることでしょう。これは、苦しみに関しても同じことをするべきなのです。苦しみはできるだけ早く取り除き、それ以上傷付かないようにするのです。完全な許しのすすめは次の名言からも読み取れます。

“愛のために許せないのであれば、少なくともわがままな理由で ―自分の幸せのために― 許しなさい“

―ダライ・ラマ―

完全な許しは強さの証

忍耐力と寛容さはある程度重要だと考えられています。しかし、誰かに傷付けられたときに耐える、あるいは許容することは弱さとして見なされることもあります。これが、他人に完全な許しを与えることが難しい主な理由の一つです。

忍耐力と寛容さが無くして完全な許しや愛にはたどり着けません。忍耐力と寛容さは弱さのサインではありません。我慢し、許容することは強さの証なのです。たとえ裏切られたとしても、自分の価値観からブレてはいけません。

辛い状況でも耐え、受け入れることは情緒的な強さを意味します。この強さがあることで、怒りや憎しみを持って反応するよりも許しへと近付けるのです。また、困難な状況でも耐えることで自分自身の感情をコントロールすることができ、自尊心と感情的知能がさらに高まります。

“自分が許しを求めているときこそ、許しについて学ぶものだ。”

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完全な許しは魂の癒し

U理論(Theory U)は、過去にとらわれている限り未来を生きることはできないと教えてくれます。過ぎ去った過去には別れを告げ、自分や他人を許すことで新しい未来が開けるのです。U理論の生みの親であるオットー・シャーマー氏が指摘するように、エネルギーは意識についてきます。だからこそ避けたいことに意識を向けてはいけません。意識は、何をしようとしているかに向けるべきなのです。そのため、過去の失敗を引きずる人は、未来にも同じような結果を探し求めてしまいます。過去に起きたことのループにはまり、新しいパターンを受け入れられないのです。

U理論の詳細

U理論によると、恐怖心や偏見を手放さない限り新しい未来はやってきません。過去を手放さなければ、人生は私たちに新しい経験をさせてはくれません。

ご存じの通り、自分を傷付けた人を許すのは簡単なことではありません。しかし、許すこと、しかも完全に許すことを学ぶ大切さを理解する必要があります。そして、あなたには過去を手放す力があることを忘れないでください。過去を手放すことができれば、前に進むことを阻む重い気持ちから自由になることができるのです。

“人間は間違いを犯すもの。だからこそ、許すことで幸せな人生を楽しむことができるのです。”