経験のパワー:人生のレシピ

経験のパワーのお話は、母親と16歳の一人息子のお話です。突然、色々な状況により、息子が病気になり、回復の気力を失います。彼の母は、どうしたら良いかわからず、一人の賢者に助けを求めます。
経験のパワー:人生のレシピ

最後の更新: 02 11月, 2019

この経験のパワーのお話は、どこか遠くの国の物語です。一人の未亡人の女性が一人息子と暮らしていました。16歳の息子は、彼女に喜びと、生きる理由を与えてくれる存在でした。彼のおかげで彼女は強くいられたのです。

母は、衣服を繕って、少ないながらも収入を得ていました。彼女の仕事は見事なもので、たくさんのお客がいました。日の出から日の入りまで働かなければならない日もありましたが、息子に必要なものを与え、面倒をみることができていたので、彼女は幸せでした

ある日、彼女の元に予想していなかった大勢のお客がやってきました。物語では、そのも、日の出から日の入りまで働く母親が描かれています。多くのお客さんがきたことで、収入も増え、彼女は幸せでした。

「お手本は他の人に影響を与える主なものではない。そのただ一つのものである。」

-アルベルト・アインシュタイン―

予想していなかった出来事

仕事を全て終え、母親は今までに得たことのない収入を得ました。そこで、彼女は新しい家具を買うことにします。また、自分と息子のために新しい服を購入します。それでもお金が余ったので、今まで買うことができなかったものを買うことにします。

この経験のパワーのお話では、その後母親は珍味を買ったとされています。自分も息子もそれまで試したことがない、エキゾチックなフルーツのようなものです。そのほかにも、キジ、ウズラ、シカも買いました。息子は新しい食べ物を試すのが好きだったので、大喜びしました。

数週間、素晴らしい珍味などのご馳走が続いた後、息子の体調が悪くなりました。お腹に激痛がはしり、吐き気も訴えるようになりました。食べる量を減らすように母親が注意しても、彼は食欲を止めることができませんでした。そのため体調がよくなることはなく、日が過ぎて行きました。

意外な質問

経験 人生

母親は心配でしたが、どのように息子の問題を解決すればよいかわかりませんでした。息子が食中毒になったのか、それとも消化できないだけなのか、検討がつきませんでした。そこで、息子を町の医者の所に連れて行き、診断してもらうことにします。

医者は彼を十分に診察します。母親は、彼が大量にものを食べていることを告げます。また、息子が何を食べていたか、詳しいリストも作っていました。何をどれだけ食べたのかというリストもです。

すると医者は、息子がとてもシンプルな病に悩まされているといいます。それは、彼は食べ物を食べ過ぎた、罪悪感に苛まれていると言うのです。ですから、解決法も単純で、1週間断食することだと言われます。ただし、水と、フルーツを少し食べても良いと言われました。

そして医者はこの通りにすると、容態は改善すると言いました。しかし、息子は医者のアドバイスを真面目に聞こうとしませんでした。ですから、今まで通りにものを食べ続け、状態がよくなることはありませんでした。

その後、ある人物が母親に、山に住む賢者のことを教えます。母親は興味が湧き、その賢者に息子の問題を乗り越えるアドバイスを聞くことにします。

経験のパワーのお話

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そこで母親は、山に行く予定をしていた近所の人がいることを知り、計画を思いつきます。近所の人に、賢者を探しだし、自分の息子のことを伝えて欲しいと頼んだのです。彼女は、息子の体調がよくなるには、食べることをやめなければならないということを知っていました。

数日後、近所の人が山から帰ってきて、賢者の言葉を母親に伝えました。息子は医者の行ったことを聞かなければならない、なぜならそれがおそらく一番適切な対処法であるからだ、と賢者が言ったと伝えたのです。また、それがわかっていながらも、息子がそのような悪い習慣を止めることができないのなら、ちょうど1週間後に、自分の小屋まで登ってくるように言っているとも伝えました。

息子はその後も食べ続け、結果体調は悪いままでした。そこで、1週間後、母親は荷物を詰めて、息子と山に登ることにします。実行に移せるアドバイスがもらえるだろうと、母親は願っていました。

治療法

賢者の小屋に着くと、母親は早速、どうすればいいかアドバイスを求めます。賢者は「息子は1週間断食しなければならない」と言います。母親は、ここまで山を登ってきたことが無駄だったと思い、がっかりしてしまいます。すると息子が「断食なんてできません。不可能です」と言います。

すると賢者は「断食するのは難しいことではない。あなたがここにやってくるのがわかっていたから、私はこの1週間断食していたのだよ」と答えます。すると、恥ずかしくなった息子は、その後、なんのためらいもなく断食し始め、1週間後には体調がよくなったということです。


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  • Calabrese, E. (2014). Cuentos (1880). In Anales de Literatura Hispanoamericana (Vol. 43, p. 484). Universidad Complutense de Madrid.

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