心に残るミラン・クンデラの10の引用

2018年6月4日 in 好奇心 0 シェア済み
ミランクンデラ

ミラン・クンデラの引用はすべて、芸術品です。その大半を、彼の多くの素晴らしい文学作品で読むことができます。彼の小説は構想が美しいのみならず、この世界そして現代の人間に関する深い考察を表現しています。

ミラン・クンデラは、1929年にチェコスロバキアで生まれました。1975年にフランスへ移住し1981年にはフランス国籍を取得しています。後年は母国を離れ生活していますが、彼の作品の大半がチェコスロバキアでの生活に関するものとなっています。

人の潜在意識という迷路を深く掘り下げた彼の作品を読めば、ミラン・クンデラがいかに知的な作家であるか良くわかります。その作品のクオリティーは高く、もう何年もの間、私たちは彼のノーベル文学賞の受賞を心待ちにしています。今日は、彼の引用のなかでもベストと思われるものまとめてご紹介したいと思います。そのセレクションは(未完成ではありますが)興味深いものとなっています。

「重荷が重ければ重いほど、われわれの人生は地面に近くなり、いっそう現実的となり、より真実味を帯びてくる」

―ミラン・クンデラ―

心に残るミラン・クンデラの言葉

ミラン・クンデラという思想家は、偉大な小説家であるのみならず、現代における偉大な哲学者でもあります。彼の世界に関するビジョンは極めて現実的ですが、同時に極めて感動的でもあります。彼は潜在的な動機の捉え方を理解していますが、これは彼の優れた力のひとつです。

「我々の秩序を求める心が、人間の世界を無機質な王国へと変えようとする。ここでは、非人間的な秩序の下であらゆることが進展し行われていく。秩序を求めるということは同時に、死を求めることでもある。なぜならば命とは秩序が永遠に形を変えたものだからだ」
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山頂に立つ男

権力と世界

クンデラのチェコスロバキアに関連した作品のほとんど全てが、権力というテーマを扱っています。クンデラは権力、そしてそのモラルについて極めて批判的です。たとえば以下の引用を見てみましょう。

「この世界ではすべてのことがあらかじめ容認され、あらゆることがシニカルに許されている」

ソビエト占領下での生活は厳しく管理されており、当時の政府による思想や表現に課された制限がクンデラに極めて大きな影響を与えました。ミラン・クンデラのもうひとつの引用を見てみましょう。

「あなたの国で発禁処分となった1冊の書物は、我々の大学が吐き出した何十億を超える言葉をはるかに上回るものを意味する」
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彼のこの指摘は正しく、権力が隠し通したい秘密は、禁止したものに隠れされています。

「権力に対する人間の闘いとは忘却に対する記憶の闘いにほかならない」というもうひとつの引用でも同じことがいえます。権力により人の悪行と卑劣な行動が繰り返されます。権力者は、全てが自分自身から始まったと人々に信じさせようとします。しかし、往々にして、歴史が繰り返されているだけです。記憶こそがそのサイクルを打ち破る唯一の手段です。

愛とおそれ

クンデラの全ての作品で取り上げられているテーマのひとつが愛です。「存在の耐えられない軽さ」では、クンデラは愛を幸運な偶然と関連づけました。この本で彼はこう綴ります。

「恋が忘れがたいものであるなら、その最初の瞬間から偶然というものが、アッシジのフランチェスコの方に鳥が飛んでくるように、つぎつぎと舞い下りてこなければならないのである」

ミラン・クンデラは無関心と忘却についても多く述べています。たとえば以下はこれについて美しく詩的に書き綴っています。

「崩壊の夕暮れにおいては、全てが郷愁というオーラにより輝いている」

ひとたび、人や何かがあなたの手元から離れたとき、現実は心を揺さぶる魔法のヴェールに覆われます。

ガラス越しの女性

恐怖、他人

「恐怖の根源は未来にある。そして未来から自由となった人は何も恐れるものはない」
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不安の主な原因は未知なるものにあります。あることが起こるかもしれないという可能性が私たちの生活に恐怖を植え付けます。私たちは現実の生活より想像の産物を恐れる傾向にあるというのが真実です。

世の中と向かい合ったとき、私たちは常に、別れや相違、理解しがたいことを経験します。クンデラはこうしたことについて以下のように述べています。

「なぜ互いをいらだたせるようになるのか、何が我々に親切心を呼び起こすのか、あるいは、何故馬鹿げた振る舞いをするのか、決して知ることはない。我々自身のイメージこそが最大の謎だ」

理解ともろさ

クンデラの引用の多くは、もろさと同情について述べています。実は、動物は、動物そのものそして動物が表すものにより、彼の作品において特別な位置にあります。

「人間の真の道徳のテスト、その根本的なテストは、人間の意思に左右されるもの、つまり動物への態度から成る」

人と人との間の同情は痛みも暗に意味します。以下の引用がこれを実に明確に示しています。

「同情より重いものは何もないのである。自分が他のだれかの痛みに感じる痛みは、自分自身の痛みより重くのしかかる。人にとって、痛みは想像によって強められ何百回というこだまにより持続する」

これは言い換えるならば、時に自身の苦しみより愛する人が苦しんでいる姿を見る方がつらいということです。

抱擁と涙

こうしたクンデラの引用は彼の素晴らしい作品のほんの一部にすぎません。現代において彼が最も称賛されている作家のひとりとされているのには、十分な理由があります。クンデラは現代のエッセンスを上手く捉え、それから作品の中で美しく驚くべき手法でこれを表現するのです。

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