ミラータッチ共感覚とは

19 12月, 2019
第三者が対象者に触れられているのを見て自分が対象者に触れられているのと同じ触覚が生じたりする共感覚は、ミラータッチ共感覚と呼ばれます。

私たちは毎日多くの人々とコミュニケーションを取り合っていますが、実際にはどの程度深くつながっているのでしょうか? ミラータッチ共感覚を持つ人にとって、つながりは生き方だと言えます。

今回はミラータッチ共感覚についてご紹介します。共感覚とは何かを説明し、ミラータッチ共感覚の特徴をさらに深く掘り下げ、研究方法をご紹介します。

共感覚とは?

ミラータッチ 共感覚

カラーで音楽を聴くことを想像できますか?味を言葉と結びつけることができますか? 共感覚を持つ人にとってそれは難しいことではありません。

共感覚は一種の感覚変化からなっています。ある刺激に対して通常の感覚だけでなく異なる種類の感覚をも生じさせる一部の人にみられる特殊な知覚現象をいいます。この現象は奇妙に見えるかもしれませんが、精神的異常や病的症状によるものでもありません。

共感覚にはさまざまな形態があります。

  • 書記素色の共感覚。文字と色を関連付けることができます。たとえば、「a」は赤、「b」は黄色、「c」は緑などに関連付けることができます。
  • 音色の共感覚。これは、音を聞いて色を割り当てる機能です。
  • 語彙味覚共感覚。言葉と味を結びつける共感覚の一種です。単語と味を関連付けます。
  • 共感覚または擬人化。人格と文字や数字を関連付けます。

共感覚は近年非常に話題となっている分野です。したがって、それに関する多くの研究が存在します。そしてミラータッチ共感覚は2005年に発見されました。

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ミラータッチ共感覚の特性

第三者が対象者に触れられているのを見て自分が対象者に触れられているのと同じ触覚が生じる共感覚は、特にミラータッチ共感覚と呼ばれています。

ミラータッチ共感覚の主な特徴は次のとおりです。

  • 触られたという感覚を生み出す体性感覚皮質の活性化。
  • 誰かがあなたに触れたときに感じる感覚は、ミラータッチ共感覚を持つ人が経験する感覚と同様です。
  • 気づきとは、ミラータッチ共感覚が意識的な経験であることを認識するための条件です。
  • 通常とは異なる刺激がそのような反応を引き起こします。
  • 経験の自動化が無意識に起こります。

主な原因は次の3つであると考えられています。

  • 感覚のミラーリング理論。これは、体性感覚ミラーシステムの活性化が通常の敷居置を下回ると、ミラータッチ共感覚を持つことを示唆する理論です。
  • 視覚および体性感覚系理論。ミラータッチ共感覚を持つ人は、視覚と体性感覚システムが直接関係していることを示唆しています。
  • バイモーダル細胞理論。触覚刺激と視覚刺激の両方で、刺激を感じるとバイモーダル細胞が活性化することを示唆しています。

また、ミラータッチ共感覚の人により一般的であるミラーニューロンの研究も実施されています。ミラータッチ共感覚を持たない人は、模倣的な反応はほとんど活性化されません。

同様に、ミラータッチ共感覚と共感の間には深い関係があるようです。ミラータッチ共感覚タイプの人は、ミラーシステムでより大きな活性化を持っているため、共感のレベルが高いことも注目されています。

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ミラータッチ共感覚の測定

ミラータッチ 共感覚

研究者たちは、さまざまな方法でミラータッチ共感覚を理解しようと試みました。たとえば、共鳴画像法やサーモグラフィ法を使用しました。これらの研究のおかげで、ミラータッチ共感覚がどのように機能するかについて詳しく知ることができます。

ブレイクモア、ブリストー、バード、フリス、およびワードは、「体性感覚の活性化と視覚および触覚の共感覚」という題名の記事で、後に「脳神経学ジャーナル」に掲載された実験を発表しました。それは、磁気共鳴画像法を介して知覚または触覚に関与する神経系を調査する実験でした。

研究者は共感覚のない12人とミラータッチ共感覚を持つ女性「C」に実験を行いました。両者の体性感覚タイポグラフィを調査するために、顔と首の接触を観察し神経活動を分析しました。

その結果、次の3つの点で、活性化パターンにおいて両者に大きな違いが見られました。

  • 体性感覚皮質の活性化は「C」において、非常に高くみられました。
  • 左の運動前野においても、「C」において大幅に活性化されました。
  • 島皮質は「C」では両側で活性化しましたが、非共感覚の人々では活性化しませんでした

これらの測定により、「C」では触覚のミラーシステムが非常にアクティブで、意識的な触覚知覚の閾値を超えていることが証明されました。

さらに、エルビラ・サラザールは、博士論文において、痛みを伴う触覚刺激の観察がサーモグラムまたは観察者の身体の非対称性を生成するかどうかを分析しました。サーモグラフィを使用してこの非対称性を観察しようと試みたのです。これは、温度をグラフィカルに記録する技術です。

病状がない限り、通常の状況では対称性があるはずだからです。研究者たちは、痛みと触覚の状況を観察することでサーモグラフィーに非対称性が生じるかどうか研究しました。

その結果、脳活動、主観的経験、および行動マーカーのパターンを超えて生理学的症状またはミラータッチ共感覚を研究できる客観的尺度、熱非対称性を発見しました。

ミラーシステムの活動レベルが高いと、感じる触覚は非常に深く、より共感的であると考えられています。これは他人とつながる素晴らしい方法だと言えるでしょう。この驚くべき現象についてより多くのことが解明されることを期待しています。

  • Blakemore, S.J. Bristow, D., Bird, G., Frith, C., & War, J. (2005). Somatosensory activations during the observation of touch and a case of vision touch synaesthesia. Brain, 128 (7), 1571-1583.
  • Salazar, E. (2012). Aplicación de la termografñia a la psicología básica. Tesis doctorral. Universidad de Granada.