妄想の主なタイプとは?

2019年9月2日
妄想は、精神病性障害を診断するための手がかりとなります。この記事では、妄想にはどのような種類があるのかについて話していきます。ぜひ読み進めてみてください!

妄想は、精神障害や神経性疾患に特徴的な症状です。従って、精神病性障害を診断するための手がかりとなります。精神科医で哲学者のカール・ヤスパースが、世界で初めて自著『精神病理学原論』(1913)のなかで妄想の種類を特定するための三つの主となる基準を定めました。

以下がその基準です:

  • 確信。確固たる信念を持っていること。
  • 不正確さ。その信念が、説得力のある反論にあっても変えられない。
  • その信念が事実に反する、あるいはありえないような内容であること。

ご想像の通り、この、事実に反する(あるいは信用できない)という概念はトラブルにつながりかねません。カール・ヤスパースによれば、妄想には主に二つのタイプが存在しているということです。これは、患者がどうその信念を保っているかによって、そしてその内容によって分けられます。

患者の信念によって分けられる妄想のタイプ

正式に言うと、妄想には二つのタイプがあります:それは、一次妄想と、事実に基づく二次妄想です。

一次妄想、あるいは自所性妄想は、自発的・独創的で、心理学的観点から見て理解不可能なものです。これらは突然現れ、患者たちは完全にこれを信じ込みます。そして妄想を説明できるその他の精神的な変化は見られません。

二次妄想は、過去の異常な経験から作り出されます。これは、奇妙で無意味な経験を説明しようとする試みとして現れる妄想的な考えです。だからこそ、このタイプの妄想は心理学的に理解が可能なのです。

従って、一次妄想と二次妄想の違いというのは、その妄想が理解可能なものであるか否かという点ということになります。この差には、その妄想が何に由来するものなのかを説明しようとする試みも含まれます。また、二次妄想が心理学的に理解可能であるというのはつまり、患者が異常な経験を説明しようとした結果であるということを意味しています。

妄想 タイプ

ヤスパーによる、一次妄想の四つのタイプ

  • 妄想着想。突然現れるひらめきとの区別がつかないもの。これらの妄想的な考えの内容は、自己にまつわるものであることが多く、普通、患者にとってはかなり重要な意味を持っています。
  • 妄想知覚。通常の知覚に妄想的な意味づけを加えてしまいます。
  • 妄想気分。世界がなんとなく悪い方向に向かっているという主観的な信念。これは大抵の場合、患者が不快な気分であったり複雑な気分になるなど、気分の揺れによって生じます。
  • 妄想記憶。これは、実際の記憶が妄想的に再構築されたものです。

内容による妄想のタイプ

精神分析的理論から、専門家たちは妄想内容の象徴的な重要性を重視してきました。中には、妄想内容は人生経験や文化的要素から影響を受けた個人的な恐怖に関連している、とすら主張する人もいます。

しかし、妄想は単なる浅薄な発言である、とする人々も存在します。ベリオスは、その内容は、妄想が他の人にも見えるようになる瞬間を生み出そうと固執する情報の無作為な断片にすぎないのだ、と主張しています。

このような意見もあるとはいえ、妄想は判断と信念の観点から研究されてきました。そしてこの観点から見ると、その内容は明らかに個人的あるいは文化的な影響を知るために重要だったのです。

妄想の構造というのは異なる文化圏でもほぼ変化しませんが、患者の属する文化的枠組みは、その妄想の内容に影響を与えます。実際に、最もよく研究されている妄想に関する議論の一つが、内容による分類なのです。

最も一般的な妄想の内容

  • 妄想による嫉妬。性的なパートナーが浮気をしているという信念に基づく妄想です。大抵の場合この妄想は突然始まり、その信念の根拠はパートナーの言葉や仕草に左右されます。実は、妄想癖のある人物は、反論不可能な証拠を見つけ出そうとします(パートナーの持ち物を調べる、質問をたくさん浴びせる、など)。
  • 誇大妄想。この内容には、その人自身の重要性や力、知識、あるいは個性などの誇張が含まれます。また、宗教や身体、あるいはその他の類の妄想となることもあります。
  • 貧困であるという妄想。物質的な持ち物を全てを失くしてしまうであろう、あるいはすでに失ってしまった、という信念を持ってしまいます。
  • 人には心を読む能力がある、と信じ込んでしまう妄想。
  • コタール妄想あるいは虚無妄想。世界はすでに終わっており、何も残されていないという考え。
妄想 タイプ

その他のよく見られる妄想

  • コントロールされている、という妄想。例えば、感情や衝動、思考、あるいは行動が外部的な力によってコントロールされている、あるいは強要されている、という考え。典型的な妄想には、アイディアを盗まれている、他の人々と考えが同調している、という思い込みやテレパシーなどを信じ込むことが含まれます。
  • エロトマニア患者は誰かが自らに狂おしいほどの恋心を抱いている、と思い込んでしまいます。興味深いことに、この妄想は男性よりも女性によく現れる傾向があります。そしてその人物は、誰か有名な人が自分を愛している、と信じ込んでしまうことが多いです(映画スターや警察官など)。
  • 身体的妄想。これは身体的な欠陥や何かの病気を持っている、という思い込みです。これは心気症あるいは身体醜形障害との区別が困難な障害となります。しかし、他の病気との違いは、その信念の強さです。この妄想を持つ人々は、自らの欠陥や病状が実は存在していない、という可能性を考慮することができません。
  • 関係妄想。これは、些細な出来事や人々が、その患者の人生に対して何か特定の意義、あるいは目的を持っているという妄想です。もしこの妄想的考えに被害意識が含まれている場合は、これは被害妄想と呼ばれます。