なぜ人はいつも同じ方法で問題を解決しようとするの?

2020年3月22日
何か問題が起きた時、ある解決法があまり効果的でなかったとしても、同じ方法を繰り返し使おうとしていることに気づいていますか? なぜいつも同じ方法で問題を解決しようとするのでしょう? そして、どうしたらこれを止められるのでしょうか?

人生には問題がつきもので、最も厄介なものの一つでもあります。人生は単純ではなく、日々の生活でよく現れる困難によって道を阻まれることがあります。そしてこういった困難が本当の問題へと成長するとさらに大変です。では、問題を解決するために一番良い方法は何でしょうか? 一緒に考えてみましょう。

問題が起こると、あなたの本来の伸びしろが遮られ成長は邪魔されます。特に問題が解決されない場合、困ったことが起こります。問題を抱えたまま生活し、問題により課される制限の周りで生きていかなければならなくなるからです。

問題が大きくなり継続的になったのであれば、それは問題を解決しようという試みが繰り返し失敗した結果だと考えられます。そして問題を解決しようという努力自体が問題となり、事態は悪化します。問題を解決しようとすればするほど、同じ結果を被ることになります。ついには、問題に生活を乗っ取られてしまいます。

 

問題を解決するには?

問題の解決には、今抱える解決したい困難に対して行動し対応する努力が必要とされます。これは障害物にぶつかった時、人が行う典型的なメカニズムです。

一般的に、問題を解決しようとする時、人は創造性を働かせようとしません。私達がもつ論理的思考により統治される(論理が上手く働かない場合もある)概念的体系は、狭く限られています。質的幅があまりないのです。

そうではなく人は量を駆使しようとする傾向があります。期待する結果が得られず失敗に終わっても、同じ事を何度も繰り返します。次にその例をご紹介します。

  • 子どもが勉強で問題を抱えている時、家庭教師をつける親がいます。これでは結果が出たとしても、ほんの少し向上が見られる程度でしょう
  • 娘が食べるのを嫌がる時、同じ食べ物を与えて圧力をかける母親がいます。これでは、娘の食に対する嫌悪感が増すだけです。
  • 部下の効率の悪さを叱る上司がいます。これにより敵対意識が強まり、効率が上がることはありません
  • 大声を出すのを止めなさいと子どもに大きな声で注意する親がいます。

お分かりいただけたように、問題解決の試みは単なる自己充足的予言にしかなりません。ある状況を避けようと、時間をかけ努力しますが、結局事態は悪化してしまうのです。

問題解決

 

なぜ、人は何度も同じ事を繰り返すのか?

あまり効果がないことが分かっていながら、なぜ人は同じことを続けるのでしょうか? 願いとは違う方向に向かっているのに、問題解決になぜ人は同じ方法を使おうとするのでしょう?

その答えは頭の中、情報の処理の仕方にあります。よく使われるプロセスやメカニズムの基礎になっているものを次にあげます。

  • 原因の追究:私達の思考は線形論理や原因と結果に基づいています。つまり、結果についてなぜそのようになったのか理由を求めます。
  • 説明の原則:自分のすることに関し、一方向性を持たせ、単純に説明づけしようとします。
  • 分析的メソッド:物事を小さく分解し、それぞれを分析し、それを組み合わせて全体像を理解しようとします。
  • 二元的思考:2つの性質の間で揺れ動きます(白/黒、高/低、閉/開)
  • 数学的論理性:実際に見ることは不可能だけれど、客観的に観察しうる絶対的現実を常に求め、信じ、保とうとします。
  • 絶対的真実の追究:問題を解決するにあたり、解決法はひとつでそれを絶対に見つけなければならないと考えます。
  • 洞察:問題を解決するには、絶対的な真実である外的な現実を見つけ、それを解釈し理解することがカギだと考えます。
  • 認知的慣性:繰り返される思考パターンを使い、認知的ドミノ効果のあるプロセスを固定化する傾向があります。

これらの要素により、問題へのアプローチの仕方、分析法、解決のために適用する一定の形が決まってきます。

 

記憶された解決法を使うこと

一般的によく行われているのは、記憶された解決法を繰り返し何度も使うことです。頭の中の頑固さが人間の認知的モデルを作っています。そのため、創造性を働かせ、頭の中の境界線を越えることができなければ、このモデルの囚われの身となります。

合理的で論理的な左脳は、問題解決のための状況分析において優勢になります。そして、右脳は、より創造的で感情的な働きをし、脳は最も必要とされる時にこれを自動的にうまく使います

 

固定概念にとらわれないこと

9つの点クイズなどの論理的問題で、固定概念の問題が顕著に現れます。非常にシンプルなクイズですが、難しく、問題解決に失敗する良い例です。

問題です。下の写真ように並べられた9つの点を、直線のみを使い、一筆書きですべてつなげてください

問題解決

9つの点クイズ

点を分析し、パターンを考える時、四角の枠が見えてきます。これは、連続した点は直線を生み出すというゲシュタルトの近接の法則によるものです。

そして、枠の中にはまってしまいます。答えを出そうとしますが、その枠の四角に制限され他が見えなくなるのです。

このクイズを解くためには、外枠の四角というイリュージョンから飛び出す必要があります。これは、本当にイリュージョンのようです想像上の四角という制限を越えなければ、このクイズの答えを導くことはできないでしょう

問題解決

あなたに見えている四角は、ただの四角ではなく、物事をみる「枠」になっています。この枠は厳格で、これにより、あなたは、普通の情報の処理法から飛び出すことができなくなっています。

 

創造性が必要

「心の枠」を超えるには、創造性が必要です。ここで、右脳と左脳の理論が役立ちます。四角は、左脳の象徴で、合理的・数学的な部分です。そして(四角という枠を超えることができる)右脳は、より感情的です。この部分が創造的解決に役立ちます

脳は、内容だけでなく、プロセスや情報の処理の仕方を体系化します。ただ、脳は合理的な論理でいっぱいのため、問題に対し決まった形を適用し続け、また人の問題は主に感情に支配されがちだという事実を考慮することができません。

人間は、「習慣の生物」で、結果が望むものと反対であっても、同じ形式を何度も適用します。そしてそこにたどり着くまでの過程ではなく、結果を問題視しがちです

そこで人が問題解決に同じ方法を使い続け、心的操作を体系化する理由を専門家が研究したところ、私達はこの方法でつかの間の安心感を得ていることが分かりました。

 

周りから受ける影響

例をあげましょう。落ち込んだ女性が、自分の悲しみの理由を探ろうとしています。外を見ると暗く雨が降っており、彼女はこれを苦痛の原因だと直接的に結びつけます。この状況が彼女の心の状態の救いにならないのは明らかですが、自分の悲しみを雨の日のせいにすることで、一時的な心の平穏を得ることができるのです。

問題解決

 

多くの方法が失敗するようになっている

問題解決は、必ずしも個人の主導によるものとは限りません。問題を解決しようとしても失敗が続き、同じプロセスが体系化されると本人はより傷つきやすくなり、周りの人に頼りがちになります。そしてより良い解決法を見出すのに役立つ答えを探す時、周りに依存するようになります。

失敗の中には、個人が解決法を求め、何度も繰り返した努力が含まれています。また、解決を望んで「自分は大丈夫、きっと大丈夫」「うまくいってくれ、お願いします」などの「呪文」を唱えたりもします。

さらに、個人的な努力の他には、様々な専門家に助けを求めるという専門家の力もあります

そして、近しい人(隣人、友達、家族など)も、問題解決に手を差し伸べてくれます。「役立つ」アドバイスをくれますが、本当は役に立たないことも少なくありません。あなたを元気づけ、諦めないよう応援してくれますが、彼らが教えてくれる答えは全く役に立ちません。あるいは彼らが考える、あなたに起こっていることを元に(固定概念にとらわれたまま)、あなたを導こうとするかもしれません。

 

問題解決:「あなたならできる!」

「あなたならできる!」と多くの人が、期待します。ここで、問題の解決法が見つからないだけでなく、物事はうまくいくべきだと考える心と「あなたならできる」と言う周りの言葉の間に挟まれます。このような状況は不安を大きくし、問題の解決に役立つとは言えません。

さらに、これを続けていても問題解決に近づくことはありません。サッカーの例を使って説明しましょう。あなたがサッカーの試合に出ているとします。チームは負けそうだと感じていますが、他の選手はボールを求めただ走り回っています。しかしこれは完全に間違った行為です。ではどうしたら良いでしょう

次のことを試すと良いでしょう。まずボールを足元に置き、とどめておきます。ボールをコントロールし、顔をあげ、自分の目指す方向を見ます。その場でより良いプレーができそうなチームメイトにパスをするのも良いでしょう。また、自分でゴールを目指すこともできます。効果のない方法を続けることをやめるのであれば、どんな方法でも良いのです