人間はみな、勇気と希望でできている

あなたという存在は、夢と限りない疑問だけでできているのではありません。きっとそのことに気付ける時がいつか訪れるはずです。まだ経験していない素晴らしいことがこの先たくさん待ち受けていますので、勇気や希望を見せつける機会を増やしていきましょう。
人間はみな、勇気と希望でできている
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 21 12月, 2022

科学的には、人間の体の99%は炭素と水素、酸素、そして窒素という4つの化学元素から成り立っていると言われています。また、人体を構成する原子の73%が大量質星が爆発した際の欠片を由来としている、とも指摘されています。しかし実は、科学者たちが忘れがちなもう二つの構成要素があるのです。もし生涯を通じて何か学んでいくものがあるとすれば、私たちは勇気と希望でできている存在だということがわかるでしょう。

人間は誰もが、驚くほど優れた存在になれる可能性を秘めています。スティーブン・ホーキングが述べているように、私たちは平凡な小惑星の一つで暮らしているに過ぎません。それでも、人類は宇宙を理解したり勇敢で独創的な物語を生み出すことができます。それはたとえ、自分たちの精神的な強みを忘れたり無視して、星たちが私たちのDNAの中に残してくれた元々の輝きを失ってしまったとしてもです。

とはいえ、毎日ヒーローのような振る舞いをすることはできないため、このような状態になってしまうのは当たり前のことです。そのため、どんな状況下でも強い人間でいることなど誰にもできません。誰にでも、失敗したり落ち込んだり、しばらくの間失ったものを嘆いて暗闇に逃げ込む権利があるのです。なぜなら、ある経験から立ち直るには一定の休息期間が必要だからです。

結局、一番のヒーローとは輝く鎧と赤いブーツ、そしてケープを身につけた人物ではありません。真のヒーローとは、何千もの経験を経て、恐怖心や悲しみを内に秘め、日に焼けた肌をした生身の人間なのです。人類は滅多に希望を捨てようとしない、頑固な生き物であり、だからこそ唯一無二の種族なのだと言えます。

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人間は勇気と希望でできている

人間が勇気と希望でできているというのは事実ですので、そのことを忘れ去らないようにしてください。幻想や夢に溢れた隅々に、ほんの少しの勇気が散らばっているのです

現実世界は自分の願いや期待に沿ってくれないこともあるため、しばしば反抗したいような気持ちに駆られることもあるでしょう。また、自分の目標に関しては固執してしまったり、時には忘れてしまうことすらあるかもしれません。主に、こなすべきタスクや負うべき義務がある中で自分自身を無視してしまうとそういったことが起こります。

ハーバード大学の教授で心理学者のハワード・ガードナーは、人間の最大の欠点の一つが変化に対応するのが困難な点であることを指摘しています。変化に直面している時が、私たちが自分自身を最も過小評価している瞬間なのです。

人間は知的な生き物ですが、特定の状況を手放すことを困難に感じます。安定感を求め、決まったアクティビティや仕事、仲間などに囲まれたルーティーンにしがみつこうとするのです。

おそらく、私たちはあらゆるライフサイクルが継続的な変化のプロセス以外の何物でもないことを忘れてしまっているのでしょう。しかし生活の中では何かを失うこともあれば獲得することもあり、また、閉じたままの扉もあれば開いた窓も存在するのです。

変化は恐怖心を生むため、まだ自分にはこのような変化を受け入れる準備はできていない、と自分に言い聞かせてしまうことが何度もあるでしょう。しかし、19世紀の日本人哲学者である岡倉天心が指摘したように、「生きる技」とは我々を取り巻く環境に対し、常に適応していくことを言うのです。

恐ろしい変化を前にした時の勇気

2年前に、アラバマ大学が勇気とは何かをより良く理解するために興味深い研究を行いました。この責任者であったマーク・ホーウェル博士とエレイン・コッシュゲルは、生涯を通じて複雑な状況やトラウマが残るような変化を乗り越えてきた人々の集団を分析しました。

そして、このような勇敢さに恵まれた人々のパーソナリティには以下のような特徴があることを発見したのです。

  • 勇敢な人々は決断力があり、積極的
  • 意義のある目標を持っており、それを日常的に思い出す。
  • 問題が生じたときに行き詰まらない。そうではなく、解決するための戦略を探す。
  • 男性であれ女性であれ情熱的。
  • 助けを求めることができる。自身の恐怖心や心配事を他人に伝え、サポートを依頼することができる。さらに、オープンな心を持ち、他者の考え方を尊重する。

ご覧の通り、勇気とは心の資質なのです。これはレジリエンスとも関わっており、結局は生存力を上げるための脳による反応だと言えるでしょう。

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嵐のような日々にあってこそ、勇気と希望を起動させよう

勇気がどんな人間にも備わっている心のメカニズムであることを知れば、その事実に触発されることでしょう。人類は勇気や希望と同じぐらい優れた存在なのです。なぜなら、私たちはこれらのアプローチやギアを使って前に進んでいくことができるからです。このような心の力があれば私たちは必ず、障害を乗り越えたり元気を出したり、頭脳と心を稼働させて変化を恐れないと言う意志を持ちながら生き延びることができます。

それは簡単なことではありませんが、本当の話です。とは言えこの記事の冒頭でも述べたように、おそらく日々の恐怖心を克服するために必要なエネルギーを常に持てているわけではないでしょう。しかし人間の脳には、特定の恐怖心を乗り越えるために欠かせないエクササイズについて指導してくれるような魅惑的な能力が備わっています。

知性と創造性こそ、私たちが自分ならではのやり方で問題を解決するのを手助けしてくれるその能力です。そして粘り強さを持つことで、諦める余地もなくなるほど自分を鼓舞することができるでしょう。

感情を忘れ去るのは容易なことではありません。アントニオ・ダマシオが指摘したように、感情は私たちの恒常性に働きかけ、行動や生存、適応、そして反応を引き起こします。人間は勇気と希望、そして夢でできている生き物です。そのことを忘れないようにしてください!人類のDNAには星たちと同じ物質が刻み込まれており、私たちは暗黒の日々の中でも光り輝けるように作られているのです。


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