人間性を発展させるポジティブ心理学の本6選

2018年1月25日 in 0 シェア済み
脳が歯車で満ちた女性

思い切って何事もポジティブに考えるようにしてみてください。きっと何かが変わるでしょう。より満ち足りた人生に近づくには、視点を変えたり、相対化したり、別の枠組みにあてはめてみたり、そういった方法が必要です。願望と行動のバランスのとれた人生、あるいは幸せというものが永遠に届かない目的ではなく、最後には実現できるようにするためです。それを手に入れるために、ポジティブ心理学についての素晴らしい本をご紹介します。

私たちは、幸せに関連する多くの言葉を操る社会に生きています。セルフヘルプについての本はどこでも簡単に見つかりますし、スピリチュアルトレーニングに参加したり、マインドフルネスに関する講演や教室に通う人もいます。ところが多くの人は、これまでのネガティブな態度を変えられなかったり、同じ考え方のスパイラルに囚われていたりします。考えられる限りの様々な方法で自己成長に努力していますが、それにもかかわらず、その内面の平穏、幸せをつかみとることが出来ていないのです。

「考え方の習慣というのは、永遠に維持しなければならないものではない。この20年間の心理学における最も重要な発見の一つは、各個人がどんな風に考えるかを選ぶ、ということだ」

-マーティン・セリグマン-

一人ひとりがこのポジティブ心理学の世界に好きなように入っていけばよいのですが、一つ忘れてはならないことは、「満ち足りた人生」に到達するために、つまり幸せになるために魔法のように効く唯一の処方箋はないということです。弱い態度、守りのメカニズム、強迫的思考が自分の敵となってしまうサイクルを打ち壊すプロセスや、日々徹底した努力を継続することが必要なのです。

「満ち足りた人生」に到達するために、多様な道を選ぶことができるのは確かです。例えばコーチングを受けたり、誰かモチベーションの指導者にアドバイスを求めたり、よい講習を受けるなどです。しかし不思議に思うかもしれませんが、すべてに共通するモデルがあります。いつもそこにあり、現在私たちが選べる多様な道の糧になる上質の栄養剤のようなもので、人間の幸せの科学とも言えます。それがポジティブ心理学です。

90年代にマーティン・セリグマン教授がポジティブ心理学の創設を提案してから、花開くまでわずかな時間しかかかりませんでした。一般にも良く知られている優れた側面としては、柔軟性、創造性、心の知能指数、ミハイ・チクセントミハイ氏のフローの概念などがあります。

本当に変化をもたらしたいと願うなら、幸せに達するために人間性を最大限磨きたいと願うなら、良質なポジティブ心理学の本を手にとってみましょう。そこには、まず知っておくべき主要なコンセプト、基本的で不可欠なツールがあります。それらの本は、幸せを求める旅の友となってくれる知識の窓なのです。

ポジティブ心理学の瓶

1. 『世界でひとつだけの幸せ―ポジティブ心理学が教えてくれる満ち足りた人生』マーティン・セリグマン著

心理学者であり作家であり、ペンシルバニア大学ポジティブ心理学センター長であるマーティン・セリグマン氏は、間違いなくポジティブ心理学の父、少なくとも第一人者だと言えます。人間の幸せを推進することのみに焦点をあてるため病理学的な研究を扱わない行動の科学に初めて焦点をあて、第一歩を踏み出したのが彼でした。

つまりセリグマン氏は、どのようにして幸せに到達するかを説明する科学的なメソッドの発展における真のパイオニアであると言えます。ですからこの本には、単にモチベーションを上げるための言葉や、美しい言葉で飾られた空虚なメッセージはありません。ここにあるのは、本物の幸せは自分自身の人間としての力から生まれるということを示す実証研究なのです。

その力を強め、理解し、鍛えることが私たちの優先事項だと言えるでしょう。

2. 『HAPPIER―幸福も成功も手にするシークレット・メソッド』タル・ベン・シャハー著

2006年、ハーバード大学の歴史上、最も人気のある講義が行われました。科目名は「幸せになる方法」、イスラエル人のタル・ベン・シャハー教授による講義でした。現在彼は、ポジティブ心理学の最大の講師の中の一人で、この本には彼の全ての視点、実践観察や理論が詰まっています。

一方、ベン・シャハー教授が教えてくれることの中に、本当の幸せとは不快な感情を受け入れなければならないこともあるということがあり、この本の中でヴィクトル・フランクル氏の言葉を紹介しています。

「私たちに必要なことは、緊張や恐れなく生きるということでもなければ、あらゆる方法で困難から逃れるということでもない。必要なことは、自分にとって価値ある人生の意味を見つけることだ」

HAPPIER』には、瞑想のテクニックから日々感謝の気持ちを持つ方法まで紹介されています。また読者の内省のために著者の人生のプライベートな話も明かされています。

happierカバー

3. 『フロー体験―喜びの現象学』ミハイ・チクセントミハイ著

ポジティブ心理学について語るということは、ミハイ・チクセントミハイ氏とそのフローの概念について語るということでもあります。間違いなく、今回のポジティブ心理学のリストに欠かせない人物で、この本は非常にためになるでしょう。

フローの概念は多くの形で定義できると思われますが、最もシンプルなのは、喜びのある次元と捉えることです。自分が自分だと思える何か、自分の在り方に最もぴったりくる何か特定のことに没頭することで幸せを得たときに、心の中から混乱や心配が消えるような最適体験を言います。これは、幸せな人生の本質が現実となった非常に快い状態なのです。

技術的科学的に無数の進化が続くこの世界において、チクセントミハイ氏はこの本を通して、自分のすべての精神的エネルギーと注意を具体的な目標、そして単純な仕事の中に楽しみを見つけることに注ぐよう勧めています。本物の幸せを体験するためには、自分で設定した計画やゴールを見据えなければなりません。

4. 『ニュー・アース ―意識が変わる 世界が変わる』エックハルト・トール著

エックハルト・トール氏は人生の大半の時間を重いうつ状態で過ごしました。29歳の時に自殺願望を持ち始め、ある夜まさに自らの命を絶つ寸前の状態だったそうです。ところが翌朝、すべてが変わっていました。新しい生きる目的、内面の目覚め、生きたいという希望を見つけ、強迫観念は消え去っていたのだそうです。

「不幸の主な原因は、決して状況ではなく、状況についての自分の考えなのだ」

-エックハルト・トール-

エックハルト・トール氏の著作は精神世界の分野に分類されるのは事実ですが、ポジティブ心理学の世界への直接のパイプであることに変わりはありません。自己の受け入れ、逆境や衝突のコントロール、そして何よりもうつ状態につぶされそうになった時にどう立ち向かうかなどのポジティブ心理学の非常に基本的な項目について学べます。

『ニュー・アース -意識が変わる 世界が変わる』の中でトール氏は、例えばエゴの構造についての探求や、どのようにしてセリグマン氏の提唱する人間としての力から離れるのかについて、前著『さとりをひらくと人生はシンプルで楽になる』からさらに一歩進めた説明を展開しています。

ニューアース

5. 『その科学が成功を決める』リチャード・ワイズマン著

こちらはまさに必読の書と言えます。ハートフォードシャー大学心理学部のリチャード・ワイズマン教授によるこの本を読めば、幸せについての古くからの常識やステレオタイプを壊され、目から鱗が落ちるでしょう。10章から成るこの本は、モチベーション・確信・魅力・創造性・心の平穏などの側面について、効率的かつオリジナリティをもって掘り下げられています。

またリチャード・ワイズマン教授の最も興味深く新しい点は、ネガティブな考えや間違った態度を、たったの59秒で打ち壊す、としていることです。

「人生は、楽観主義者にも悲観主義者にも同じように挫折や悲劇を課すが、楽観主義者なら耐えることができる」

-マーティン・セリグマン-

6. 『心のなかの幸福のバケツ』ドナルド・O・クリフトン、トム・ラス著

マーティン・セリグマン氏がポジティブ心理学の父なら、ドナルド・O・クリフトンは「祖父」であると言えるでしょう。彼の研究はポジティブ心理学の基礎を形作り、この本には彼の哲学や原点のすべてや、非常に好奇心をそそられる見事な知識が盛り込まれています。

4つの電球

この本は、人生をポジティブな感情で「満たす」よう導いてくれるだけでなく、多くの人々へのサポータ―・無数の企業へのアドバイザーとしての彼の日々の仕事から得た学びから、私たちに様々なアイデアを授けてくれるという意味で、非常に参考になる本です。

いかがでしたか?ポジティブ心理学について学べる書籍はさらに多数あるのですが、今回ご紹介した6冊は、音楽で言う序曲、考える出発点となるものです。これらの本を読んで、変化に向けて小さな種を蒔いてみてはいかがでしょうか。

参考書籍

 マーティン・セリグマン著、小林裕子訳 『世界でひとつだけの幸せ―ポジティブ心理学が教えてくれる満ち足りた人生』アスペクト、2004年Authentic happiness, 2002.

タル・ベン・シャハー著、坂本貢一訳『HAPPIER―幸福も成功も手にするシークレット・メソッド』幸福の科学出版、2007年。Happier: Learn the Secrets to Daily Joy and Lasting Fulfillment, 2007.

ミハイ・チクセントミハイ著、今村浩明訳『フロー体験―喜びの現象学』世界思想社、1996年。 Flow: The Psychology of Optimal Experience, 1990.

エックハルト・トール著、吉田利子訳『ニュー・アース -意識が変わる 世界が変わる』サンマーク出版、2008年。 A New Earth: Awakening to Your Life’s Purpose, 2005.

リチャード・ワイズマン著、木村博江訳『その科学が成功を決める』文藝春秋、2012年。59 Seconds: Think a little, change a lot, 2009.

ドナルド・O・クリフトン、トム・ラス著、高遠裕子訳『心のなかの幸福のバケツ』日本経済新聞社、2005年。How Full Is Your Bucket? Positive Strategies for Work and Life, 2004.

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