「オレンジのメタファー」から得られる主な教訓

オレンジのメタファーは、最悪の瞬間や最高の瞬間が訪れた時に現れるのはそれが怒りであれ恐怖であれ愛情であれ、その人が内側に有しているものだということを教えてくれます。もしもあなたが、果汁を搾り取られるオレンジのように誰かから強く押しつぶされたら、中から何が出てくると思いますか?
「オレンジのメタファー」から得られる主な教訓

最後の更新: 28 2月, 2021

例えば、誰かがあなたを苛立たせ、悩ませ、比喩的な意味であなたを押しつぶそうとしているとしましょう。その人物の試みが成功したら、あなたからはどんな感情が噴出するでしょうか?怒りでしょうか、それとも楽しさ、もしくは憤怒でしょうか?心理学者で、教師でもあり作家でもあったウエイン・ダイアーによって提唱された「オレンジのメタファー」は、自分たちがどんなもので構成されているのかを知ることが、なぜそれほど重要なのかを理解させてくれるツールです。

ウエイン・ダイアーは有名な作家で、著作『自分のための人生:ダイアー博士の世界的名著』が出版されて以降、世界的な成功を収めています。オレンジのメタファーが登場したのは、カナダのトロントで行われた講演会でのことでした。そして興味深いことに、それは彼の死の前日だったのです。

彼の教えはあらゆる人々を驚かせました。講演会でウエインはオレンジを小道具として用い、最前列に座っていた12歳ほどの賢そうな男の子と対話を始めました。

人があなたをどう扱うかは彼らのカルマに、そしてあなたがそれにどう反応するかがあなたのカルマとなる”

-ウエイン・W・ダイアー-

オレンジのメタファー 教訓

オレンジのメタファーに関する対話

ウエインはその子に言います、「もし私がこのオレンジを力一杯押しつぶしたら、何が出てくると思う?」

少年はダイアーを少々胡散臭げに見つめながら、「果汁ですよ、もちろん」と答えます。

「リンゴの果汁が出てくる可能性はあると思う?」

「いいえ!」、男の子は笑いました。

「じゃあ、グレープフルーツ果汁は?」

「あり得ない!」

「では、どんなものが出てくるのかな?」

「オレンジ果汁ですよ、もちろん」

「なぜ?オレンジを押しつぶすとどうしてオレンジ果汁が出てくるのかな?」

「だってこれはオレンジだし、中身もオレンジだからですよ

人生があなたを押しつぶしたら、中から何が出てくる?

ダイアーは頷き、「このオレンジはオレンジではなく、あなた方のことを表していると仮定しましょう。誰かがあなたにプレッシャーを与え、あなたにとって気に食わないようなこと、あなたの気分を害するようなことを言いながら、あなたを押しつぶし始めるとします。そのせいで、あなたの内側からは怒りや憎しみ、苦い気持ち、そして恐怖心などが出てくるでしょう。なぜか?その答えは、この少年の言った通り、それがあなたの中身だからなのです」と言いました。

「これは最も偉大な人生の教訓の一つです。誰かに嫌な思いをさせられた時に、怒りや痛み、恐怖心が湧いて出てくるのであれば、それはそういった感情があなたの内側にあるからなのです。母親、兄弟、我が子、上司、あるいは政府など、あなたを押しつぶしているのが誰であるかは問題ではありません。誰かから気に食わないことを言われた結果出てくるのは、あなたの内側にあるものです。そして内側に何を持っておくかはあなた次第であり、あなた自身で選ぶことができます

誰かにプレッシャーを与えられた時に、あなたから出てくるのが愛以外に何もないのであれば、それはあなたが心の中に居場所を与えたのが愛だけだったからなのです。自分の生活に存在して欲しくないこういったネガティブな側面を排除し、それらを愛に置き換えれば、非常に実用的な生活を送れるようになるでしょう」

「ありがとう、若き友よ、このオレンジは君のものだ!」

オレンジのメタファーはレジリエンスについての話である

引き続き、オレンジのメタファーを別の教訓とも結びつけてみましょう。英語圏には、「人生があなたにレモンを与えたら、それでレモネードを作りなさい(災い転じて福となす)」という諺がありますが、その真の意味について考えてみませんか?このフレーズは、コンフォーミズム(体制順応主義)からは程遠いところにあり、とてつもなくシンプルにレジリエンスを説明しています。

レジリエンスの語源である「resilio」「resilire」は、「跳ね返る、立ち直る」といった意味のラテン語です。心理学の世界では、人間の持つ苦境を乗り越える能力に言及する時にレジリエンスという用語が使われます。要するに、レジリエンスを持つ人とは、人生で遭遇するレモン(喪失や失望など)から、何とかレモネードを作り出す(そういったネガティブな出来事を最大限に活用する)ことのできる人々のことを言うのです。

レジリエンスとは一部の人に生まれつき備わっている遺伝的な特性であると信じる人々もいますが、この能力は誰もが取り入れることができ、鍛え上げることのできるものだということが後々の研究で明らかにされています。

例えば、変化は人生の一部だと受け入れ、自分自身を信頼し、対人関係を構築し、ポジティブな面に焦点を当て、試練をチャンスと捉え、そして自らの目標に対して現実的で柔軟性のある視点を持つことで、レジリエンスを磨き上げることができるのです。

オレンジのメタファーから得られる主な教訓

自分自身を向上させる

結論としては、心の内側の世界を育むことがとても重要だと言えます。心の中に不毛な土が敷き詰められていると、生えてくるのは雑草だけです。しかし肥沃な土壌を用意して頻繁に水をやれば、自らの命を最大限に繁栄させることができます。

有毒な思考や感情で心をいっぱいにしても、良いことは何もありません。結局、そのような自分から影響を受けるのは自分だけです。つまり、ネガティブな感情を積み重ねた結果に苦しむことになる唯一の人物は自分自身なのです。

こちらの記事もおすすめです。
逆境によりレジリエンスが高まるとは限らない?
こころの探検
で読むことができます。 こころの探検
逆境によりレジリエンスが高まるとは限らない?

逆境 により、必ずしも レジリエンス が高まるとは限りません。レジリエンスは一種の流行語のようで、その機能に関する理解は現実からかなり離れてしまっています。難しい時期を乗り越えた誰もが、必ずしも有能になるとは限りません。