恋愛恐怖症:恋に落ちることへの恐怖心

20 12月, 2019
恋に落ちることへの恐怖心に対処しきれていない人々がいます。彼らは傷ついたり裏切られることを恐れており、誰かと感情的な結びつきを築くことに対して極端に不安感を抱き、脆弱になってしまっているのです。また、自らの自立性を失うことを恐れる人々もいます。
 

恋愛恐怖症の特徴である、「他人と強い感情的な結びつきを形成することへの恐怖心」は、この恐怖症を非常に特異で独特なものにしています。中には、幼少期の虐待や両親の離婚などがこの原因となる傾向が強い、と考える人もいますが、必ずしもそれだけが原因というわけではありません。特に明白な理由がなくても恋愛恐怖症になってしまうケースは多々あるのです。

では、どのようにこの恐怖症は引き起こされ得るのでしょうか?一体何が、他の人にとっては素晴らしい感情である恋愛感情を抱くことに恐れを抱かせてしまうのでしょう?実はこれは、考え方の問題なのです。恋に落ちることが人生で起こることの中で最も喜ばしく、情熱的なものだと考える人がいる一方で、恐ろしいことだと感じている人もいるのです。

また、この恐怖症は現代社会の闇であるかのように考えたがる人もいますが、実際にはこれはいつの時代にも存在していた問題です。

例えば、エリザベス一世はおそらく恋愛恐怖症を抱えていただろう、と考える人々がいます。彼らは、彼女が結婚を拒んだことには母親であるアン・ブーリンが夫のヘンリー八世に処刑されたことが関連している、と推察しているのです。アン・ブーリン処刑の理由は、彼女が夫以外の男性と恋に落ちたことでした。

エリザベス一世に何人か恋人がいたことは事実ですが、彼女自身は恋愛のない人生の方が好ましい、と発言しています。彼女は頑なに結婚を拒否しました。自分の人生を他の誰かと共有することなど、彼女には想像できなかったのです。つまり恋愛恐怖症は、現代社会の人々の日常生活に与えているのと同じ傷跡を彼女の治世にも残していたということになります。

 

恋愛恐怖症は精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)には載っていないものの、比較的幅広く世界に蔓延している症状です。

恋愛恐怖症 恋に落ちる 恐怖心

恋愛恐怖症の特徴

恋愛恐怖症は、様々な形で出現し得るものです。二人として全く同じ様に症状が現れることはなく、診断を単純なものにできるようなパターンもありません。事実、DSMでこれを探しても、恋愛恐怖症が社交恐怖の一種であることしかわからないでしょう。

メリーランド州にあるデルフィ・ビヘイビアル・ヘルス・グループのスコット・デホート博士をはじめとするこのトピックの専門家は、恋愛恐怖症が女性と同じくらい男性にもよく見られる症状である、と述べています。これを決定づけるような生物学的あるいは遺伝的要因は存在せず、恋愛相手との悪夢のような体験のあとで症状が進んでしまうようです。

それがあまりにもひどい体験であったため、同じことが将来再び起こり、苦しみ、傷つく羽目になるのではないか、という恐怖が生まれてしまうのです。時間とともにその恐怖心は完全な恐怖症と言えるほどに膨らんでしまいます。しかし誰もが知るように恐怖症の問題点の一つは、これが不安障害やうつ、社会的孤立、ドラッグの使用などのその他の問題につながってしまうことなのです。

 
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恋愛恐怖症

恋愛恐怖症というと、おそらくまず頭に浮かぶのは何が何でも他人との関わりや感情的な結びつきを避けようとする人々のことでしょう。しかし、恋愛恐怖症を抱える人の中にも、他人と関わり合うことができる人もいるのです。この場合、問題はその関係性が極端に不健全なものになりかねないという点です。

  • このような人々は、冷酷でとげとげしくて近寄りがたく、常に支配力を持とうとする傾向があります。また、嫉妬深く、独占欲も強いです。これらすべてが、内に潜んだ恐怖心や不安感の現れなのです。
  • また、こういった人々の多くは自尊心はとても低いようです。彼らはコミュニケーション方法を知らず、決して相手に屈服せず、共感もしません。恋人のいる恋愛恐怖症の人は、極度に感情的な破壊工作員なのです。彼らの不安定さが、二人の感情的な結びつきに穴を開けてしまいます。相手と関わり合うことへの恐れや弱さが、二人の関係性をジェットコースターのように波乱に富むものにしてしまうのです。

どんな恋愛にも関わろうとしない人々

一方で、是が非でも恋愛には関わろうとしない人々も存在します。彼らは単に他人との関わり合いや恋人関係といった考え方を拒否したり、あるいは愛着、情熱、心酔などを感じることを避けようとするだけではなく、たとえプラトニックなものであろうと、いかなる情緒的絆の形成にも恐怖心を抱いています。

 

次のことについて考えてみましょう:「これは、ほぼ確実に社会的孤立、不安障害、パニック障害、そしてその他のパーソナリティ障害につながってしまう社交恐怖症の一つの形である

このタイプの恋愛恐怖症の場合、恐怖心が身体的症状として現れます。例えば誰かが彼らに近づき、関係性を築こうとすると、汗をかき始めてしまったり、不快感を抱いたり、心拍数が上がってしまう恐れがあるのです。

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その治療法は?

上記のような症状がいくつか見られる人々への治療オプションは多岐に渡ります。恐怖症の深刻さによっては、ライフスタイルを変えるだけで十分な場合もあれば、暴露療法などの特別な療法を行わなければならないケースもあります。暴露療法では、セラピストとともに恐怖と向き合い、不安感の解消に取り組んでいきます。

さらに深刻なケースでは、薬物治療が必要になることもあります。特に、患者が社会的孤立やうつ、不安障害などの症状を抱えている場合はなおさらです。こういった場合、彼らが戦っているのは真性の恐怖症なので、認知行動療法などの手法が主に役立つ可能性があります。

この療法は、患者が自らの恐怖心を特定し、思い込みや考え方を変えたり、恐怖症の根源を取り巻くネガティブな反応を変えていくための助けとなります。ポイントは、恋愛恐怖症には治療法が存在するということで、必要なのは自ら働きかけることです。この恐怖症を克服できれば、それまでよりかなり健全な恋愛関係を築くことにつながります。

 
 
  • Tavormina, R. (2014). ¿Por qué tenemos miedo de amar? En Psychiatria Danubina (Vol. 26, pp. 178–183). Medicinska Naklada Zagreb.