理性と感情:良い決断を生み出すバランス

理性と感情:良い決断を生み出すバランス
Roberto Muelas Lobato

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Roberto Muelas Lobato.

最後の更新: 21 12月, 2022

最善の決断は理性から生まれると信じている人がいます。しかし、感情をまるで考慮せずに決断を下すのは必ずしも効果的とは言えず、むしろ可能ですらないかもしれません。理性を忘れて感情だけで決断を下すことも良い結果を生みださないでしょう。だから、一番良いのは理性と感情を組み合わせて決断を下すことです。

理性的な部分と感情的な部分の良いバランスを見つけることは、より良い決断を下すためのカギとなります。同時に、このバランスは人生の経験や過去の過ちの賜物です。

はじめにできる賢い決断は、理性と感情を相反させないことです。よく考えてみれば、ほとんどの場合、心と精神は同じ方向に向かっていくものです。しかし、私たちはよく理性と感情を別々にしてしまうことがあるようです。

脳


正しい決断など存在するのか?

誰だって正しい最善の決断をしたいと思います。しかし、正しい決断とは何でしょうか?答えるのが難しい疑問です。正しい決断は最も自分にメリットがあるものだ、という人がいます。しかし、これは常にハッキリしているわけではありません。もしそれだとしたら、他人に及ぼす影響などまるで考えずに、個々が自分にとって最良の決断を下すようになってしまいます。

例えば、恋に落ちるとき、感情が力を得て決断を支配します。恋に落ちると、人は目も耳もふさいでしまいます。これは自分にとって一番メリットの多いことですか?

恋に落ちている時でなくても、感情は決断に影響を及ぼします。感情の重要性は、眼窩前頭皮質の脳傷害を見ると分かります。この部分は扁桃体の機能において重要な役割を果たします。扁桃体は感情システムの一部を担っています。その為、眼窩前頭皮質に脳傷害がある患者は、普通の人ほど感情に左右されずに決断を下します。

理性と感情をわける

誰かがただ単に理性にのみに頼った決断を下したらどう思いますか?その人は自分のことしか気にしていないと考え、信用できなくなります。それとも、人は理性的な人を信用したいとも思いますか?どうでしょうか?

他人の感情を認識する能力である共感力によって、人は他人を信用するようになるのが現実です。笑顔を向けて、一緒に熱くなって、何か悪いことがあなたに起こった時に、一緒に怒ってくれるような人の方が理性的な人より信頼できる人です。

これは、10代によく見てとれます。この段階では、リスクの高い決断を取りがちです。だからこそ、思春期は親のことを完全に無視する難しい時期だと言われているのです。その原因の一部は、脳の前頭前皮質にあります。

まだ発達途中の眼窩前頭皮質はここに位置しています。まだ発達段階にあるため、効果的に感情を制御することができません。その為、決断は感情に大きく左右されます。幸いにも、この時期の経験によって脳が次第に発達します。

気球


決断における感情の役割

少し矛盾しているように思えるかもしれません。一番良いのは理性と感情を組み合わせて決断を下すことであるとはじめにお伝えしました。しかし、今のところ感情がネガティブに作用する場合のみしかお話ししていません。感情の役割を理解するためには、感情がソマティック・マーカーであることも理解する必要があります。

ソマティック・マーカーは、決断を下すときに人を導いてくれる感覚です。これらの指標は、どの選択肢が自分の興味にとって最適かを選び取る助けとなってくれます。特に、たくさんのことを処理していてどれが最善かわからないときです。ソマティック・マーカーは、過去の経験から積み上げてきた勘でもあります。この勘が、私たちが決断について考え始めた時、潜在的な影響を警告してくれるのです。

例えば、昔強盗にあった道を歩いていたら、他の通りを歩くべきだという感覚を得ます。この勘は、意識的とは限りません。勘に突き動かされているとも知らずに、別の通りを歩いていることもあるということです。

幸いにも、勘と共に理性的な思考プロセスも活性化され、メリットとデメリットを精査します。理性と感情の二重性は、決断を導き、前に突き動かし、希望の火を絶やさずに、人が自分らしくいることを可能にしているのです。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。