正常病:皆と同じでありたいという不健康な思い

2019年4月7日
「正常」だから受け入れられる、周りの人と同じでありたいという不健康な思いが「正常病」です

私達は、テンプレートではありません。コーヒーに入れられる砂糖のように溶け込むために、周りの人と同じようになる義務はありません。私達の個性はユニークで、価値あるものです。しかし、今、「正常病」と呼ばれるものを目撃したり、その犠牲になることがあります。皆と同じでありたいという強迫に近いニーズです。

これは新しい現象ではありません。実は、すでに出回り始めてからしばらく経っています。心理分析学者で著者のクリストファー・ボラスは、テクノロジーにより私達の考え方や性格が変わってきていると指摘します。携帯やパソコンの画面で見るものが、突然、私達を支配する強力であふれんばかりの力を持ち始めたのです。

正常病は、とても詳細に警告しています。私達の周りには、たくさんの正常病者がいるのです自分のアイデンティティに確信をもてない人、自分を知るための努力をしない人です。基本的に、彼らの人生の目的は、社会的に認められることなのです。

「正常」に入るために、自分の性格を脇に置きたがります。ソーシャルネットワークで、人がすること、言うこと、考えることを真似し、それにより、心理的バランスや平静が崩れます。

あえて言うと、彼らの最大の恐怖とは、普通でないことです。彼らにとって、作られた型、不可能な型にはまれないことは、非常に不安なのです。さらに、正常病の人は、皆、憂うつで、虚無感を感じています

同じでありたい

 

正常病は不健康

私達は、人に特別でユニークだと思ってもらいたいものです。しかし、「正常」で期待された中に入り、周りの人と同じであることを好むことがあります。自分の声をあげ、自分の願い、モチベーションに沿って行動すると、人に指をさされます。

有名な心理学者アルバート・エリスは、かつて、幸せへのカギは、ほぼいつも不公平な世の中で自分を学ぶことにあると言いました。それが好きか嫌いかに関わらず、私達は、批判、困難、不公正と向き合わなければならないのです。

ところが、正常病者は、これらと向き合いません。ただ、真似し、従い、屈服します。正常病者は非常に受け身で、そのために、非論理的な行為を認め、従うのです。クリストファー・ボラス博士は、友達よりサッカーがうまくないという理由のみで自殺しようとした若い男性のケースについても語っています。

 

正常病の見分け方

心理分析学者ジョイス・マックドュールは、小児統合失調症の分野で最も重要な人物の一人で、「正常病」という言葉を作った人でもあります。著書の中で、この言葉を個性への恐怖と定義しています。

  • 正常病とは、社会的承認を求め続ける人です。この強烈な欲求により、自分のアイデンティティや尊厳さえも脇におきます。
  • ほとんど意識しないうちに、誤った自己を形成します。外の世界のみに焦点を当て、自分の周りで起きていることにしがみつき、暮らします。友達や集団、ソーシャルメディアなどです。
  • ハワード・ガードナーとケイティ・デイビスがある研究を行い、彼らが定義した「アプリ・メンタリティ」というものを若い人々は使っていると指摘します。
  • アプリを使うのと同じように生きるティーンエージャーがいるのです。数少ない選択肢、人と同じツールを使い、予期せぬリスクを避けます。
  • 正常病は、苦悩として解釈されます。多くの場合、正常病者は喪失感や虚無感を感じます。感情の世界と完全につながっておらず、それは、不満、失望、失敗との向き合い方が分からないことを意味します。
  • 「アプリ・メンタリティ」は、人生について考えることを許しません。内なる自分への扉を開ける方法を全く知りません。人として、自分とは何かを探したことがないのです
鏡をもつ人

 

どうしたら良いか?

個性を鍛えることが、正常病を治すカギです。正常病者は、自分が表面的で空になるまで、もっぱら無意味な模倣に尽くし、内なる自分を否定します。これが、苦しみ、不満の種を生みます。

彼らが自分の苦しみに気づいた時、助けを求めなければならないと感じ、自己発見の旅を始め、自尊心や個性を築きます。そして、ついに、へその緒を切り、自分の思う人生を生きることができるのです。正常であることを強く求めるほど、異常なものはないと理解します。

  • Bollas, Christopher. (2018). Meaning and Melancholia: Life in the Age of Bewilderment. New York and London: Routledge.