精神生理学とは?

精神生理学では人間の行動やそれに関わるプロセスが研究されます。そのために、この分野の心理学ではいくつかのテクニックを用いることで身体の精神生理学的な反応を捉えます。
精神生理学とは?
Paula Villasante

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Paula Villasante.

最後の更新: 21 12月, 2022

精神生理学とは、脳の心理的プロセスの生理的基盤を研究する心理学の一分野です。この分野では行動やその背後にあるプロセスが分析されます。

19世紀にこの学問が始まって以来、ずっと同じことが研究されてきました。しかし、テクノロジーと多種多様なアプローチの影響により、脳の研究方法や、脳と行動との関係が形作られるようになってきたのです。

今日、脳を研究するために専門家たちは様々な科学的手法を用います。こうして、精神生理学、神経心理学、精神内分泌学、精神神経免疫学、または神経学の精神生物学のあいだにつながりを見出すことができるのです。

精神生理学の学術誌

この分野に関する学術誌には以下のようなものがあります。

  • Psychophysiology、1964年創刊
  • International Journal of Psychophysiology、1983年創刊
  • Journal of Psychophysiology、1987年創刊
  • Cognitive Neuroscience、2010年創刊
  • Applied Psychophysiology and Biofeedback、1997年創刊

精神生理学の概要

前述した通り、精神生理学の主な目的は人間とその行動の背後にあるプロセスを研究することです。そのために、この学問領域ではいくつかのテクニックを用いて生理信号を捉え、それを電気信号に置き換えたものを専門家が分析します。

このように、精神生理学的な信号を得るために、まずは電気信号が取得されるのです。これは電気的または生体電気的計測方法によって接触的に行われるか、生体電気的方法によって非接触的に行われます。サーミスタやフォトプレスチモグラフィなどの器具は非常に有用で、正確な計測を行うことができます。センサーが生理的反応を捉え、伝達すると、変換、増幅、フィルター、調整のいずれかが行われます。

さらに、信号を得るためには、オシログラフやインクを用いて一定の速度で動く方眼紙に記録をとることが必要です。増幅の段階が終ると、信号をコンピューター上に記録することもできます。これはより動的な手法であり、信号の操作がしやすくなります。

精神生理学とは?

精神生理学的反応を説明するために、専門家は解析と解釈の両方を行います。そのためには以下のような要素が観測されます。

精神生理学とは?

基本の記録方法

信号は単極式か双極式で記録することができます。

  • 単極誘導法:片方の電極を信号源に近い位置の皮膚に置き、もう一つを信号源から離れた位置に置きます。脳波の測定・記録は単極誘導法の一例です。
  • 双極誘導法:信号源に近い位置にふたつの電極を置いて記録されます。例えば心電図はこの方法で測定されます。

精神生理学的反応の種類

  • 持続性(緊張性):これは精神生理学的信号の活動における基礎値のことを指します。
  • 相動性:これは特定の刺激の後に起こる反応や活動の程度のことです。
  • 自然発生的、または非特異性:明らかな刺激なしに表れ、ある程度の感情的な不安定性や覚醒を示します。

精神生理学的反応の分析

精神生理学的反応を分析するためには、以下の2つの事柄を考慮しなければいけません。

  • 覚醒:これは、研究対象のエネルギーの解放です。生理的変化と行動的変化を関連づけるものです。
  • 慣れ:反復的な覚醒の結果による反応の振幅の減少のこと。
精神生理学 分析

ここまで述べてきたことに加え、記録の環境についても考えることが大切です。例えば、記録が研究室で行われるのならば、気温、湿度、明るさなどの変数をコントロールしなくてはいけません。

このようにして、検査対象はいくつかの段階を踏む実験タスクを受けます。タスクを行う前に、まずは対象の特徴や生理反応を知ることが大切です。それから適用段階があり、基本の記録、刺激を与えたときの記録、刺激後の記録と続きます。

最後に、精神生理学は色々な科学の分野が集まった木の枝のようなものです。したがって、その良い部分は他の科学分野からの知識を取り入れています。それと同時に、精神生理学の研究は他の全ての科学分野にとっても有益であり、非常に魅力的な学問領域なのです。


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  • Kakarot, N.; Mueller, F.; Bassarak, C. (2012). “Activity–rest schedules in physically demanding work and the variation of responses with age”. 
  • Fabiani, M (2012). “It was the best of times, it was the worst of times: A psychophysiologist’s view of cognitive aging”. Psychophysiology.

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