さまざまな性的多様性が存在する教室での指導

子どもたちの中には異性愛者(ヘテロセクシャル)もいれば同性愛者(ホモセクシャル)もいますし、異性も同性も恋愛対象だという子(バイセクシャル)やトランスジェンダーの子もいます。そのため、どの感情的・性的指向を持っていようと、全ての子どもたちを受け入れられる包括的な教室の存在が重要なのです。
さまざまな性的多様性が存在する教室での指導

最後の更新: 19 3月, 2021

性の解放、そして保守的考えの拒絶により、社会は性の多様性や情動の多様性に関してもっと包括的になってきました。このような多様性は、職場や道端、学校など、場所がどこであろうと存在する現実です。

例えばこの新たな現実のニーズを満たすために、子どもたちを相手にする仕事のプロたちは、教室内でどう性的多様性について話せば良いのか頭を悩ませています。これは、子どもたちが幼いうちから学んでおくべきことなのでしょうか?

また、今の子どもたちは昔よりも自身のセクシュアリティへの自覚があり、学校にはヘテロセクシャル、ホモセクシャル、バイセクシャル、そしてトランスジェンダーの生徒・教師たちがいるであろうことを知っています。平等を実現し、互いに敬意を持ち合うためには、性的指向や人種、ルーツ、あるいはジェンダーに関わらず、それを受け入れることが重要です。

さまざまな多様性 教室 指導

子どもたちは自分自身のセクシュアリティを理解している?

性的・感情的多様性というテーマが教室内で扱われることはほぼありません。また、この多様性についての話題が我が子をホモセクシャルやバイセクシャル、あるいはトランスジェンダーへと「変えて」しまうのではないかと危惧している、知識不足の親もいます。

理解ができていない親もいますが、子どもたちは10歳までに自身が魅力を感じる人々を特定し始めるのです。心理学者Asia Eatonは、性的少数者の若者たちは8歳か9歳までに初めて他者に性的魅力を感じていたという調査結果を明らかにしています。一方で、この経験は11歳までに起こると提唱している研究も存在します。実はなんと、子どものマスターベーションあるいは性的探求は若干2歳で始まり得るようです。

このように、子どもたちは自分が魅力を感じるものとそうでないものが何であるかをすでに自問しているため、学校教育のシラバスに性的・感情的多様性という項目を加えるのは重要なことなのです。これは性的少数者の子どもたちだけでなく、全員にとって役立ちます。なぜなら、そういった情報がヘイトや恐怖心、虐待、そして拒絶と戦うための強力なツールとなるからです。

教室の指導に多様性を含めるには?

性的指向の多様性はすでに学校に存在していますが、そこにはネガティブな視線が注がれています。学校とは、多数派のイデオロギーや異性愛者的言語が反映された場所なのです。この事実は、同性愛者をジョークのネタにする生徒たちや、休み時間に差別用語を使っても罰せられなかった生徒たちを見れば明らかですし、「結婚しているカップル」の例が異性愛者ばかりであることからも一目瞭然でしょう。

結局、親や教師たちの行動が、そして無知が、子どもたちに誤った結論を持たせたり、LGTBIQの子どもたちに対する不健全な見方を育てたりすることに繋がるほか、自尊心や自己受容の問題の原因にもなっているのです。

多様性 教室 指導

例えば、性的多様性が存在する教室では以下に挙げるような含蓄に富む対策を用いることができます。

  • 学校で働く人全員に同じ目標に向かって努力してもらう。子どもたちは確実に、その姿を見たり自分でも真似たりすることで学びを得るはずです。給食の調理担当者や校庭管理の担当者、教員あるいは養護教員など、誰もがロールモデルになることができます。
  • 学校のシラバスに性的多様性を含める。
  • 同性愛やバイセクシャル、トランスセクシャリズム、そしてそういった性的指向へのフォビアについて学べるような活動を含める。
  • 教師や学校評議会の持つ情報や教育方針、そして指導要領を改良する。
  • 図書室に情報を集められるようなコンテンツを揃える。また、異性同士の恋愛だけではなく、様々な種類の恋愛関係が反映された作品も図書室のラインナップに加えることも大切です。
  • ホモフォビアやトランスフォビア、バイフォビアへの積極的な対策ガイドを確立する。教師、生徒およびその親たちに、世間一般で許されていないこれらの性的少数者を苦しめるような態度は教室内でも許されないということを理解させねばなりません。

「先生、私は男の子じゃなくて女の子が好きです」

多くの場合、教師たちは学校においてのみならず、生徒の個人的な観点においてもお手本になります。したがって、子どもの真の性的アイデンティティを知る初めての、そして唯一の存在が教師となることがあり得ます。

子どもたちは親をがっかりさせてしまうのではないか、怒らせてしまうのではないかといった懸念を抱いていることがありますが、「自分は他の子と違う」あるいは「自分は変わり者だ」と感じているせいで、「信頼できるのは先生しかいない」という考えにたどり着く可能性があるのです。

このケースで教師はどんなことをしてあげられるのでしょうか?以下にいくつかヒントを紹介します。

  • 積極的に耳を傾け、子どもの不安やストレスを理解してあげましょう。他の仕事で多忙かもしれませんが、これは重要な問題です。その子の勇気を尊重し、時間を割いてあげてください。このことは本人にとっても教師にとっても大切な話題です。
  • このような話題に対応する準備ができていない場合やどう反応すべきかわからない場合は、その心得がある人の元へ生徒を連れて行きましょう。非常に重要なテーマですので、その子に背を向けるようなことがあってはなりません。
  • その子の味方になってあげましょう。教師とは、罰やご褒美を与えることのできる権威的な存在ですが、この事実は子どもにとって重要です。なぜなら、罰せられなかったことでその子は「先生からは裏切られなかった」と考えるからです。このことが、自分がその性的指向を有していることは悪いことではないのだ、ただそれがありのままの自分なのだ、とその子に理解させるための良い前例となるでしょう。
  • 子どもの学校での様子や過ごし方を観察しましょう。その子の心情を計り知る手がかりが得られるはずです。
  • 教師は、子どもたちのお手本として、性的多様性を支持しなければなりません。その子の感じていることの正当性を認め、その子にとって予想だにしなかった反応(怒らない、悲しまない、失望しない、など)をしてくれる最初の人物にならねばならないのです。
性的多様性 教室 指導

結論:横断的改革の必要性

教室に性的多様性を含めるという試みは、全ての学校で起こるべき事象です。性的多様性に関するワークショップを2、3回開催するだけでは十分とは言えません。学校は、全ての生徒を受け入れる場所でなければならないのです。

したがって、セクシュアリティグループに関する偏見を持つことを避け、あらゆるセクシュアリティに自然な形で接することができるように、使用する語彙や言葉遣いも変更しなければなりません。さらに、理論上だけではなく、実際に学習に役立つようなアクティビティを取り入れることも推奨されます。そういったアクティビティは子どもたちの参加を促し、モチベーションを高く保ってくれるはずです。