システム心理学とは?

04 3月, 2020
システム心理学におけるアプローチでは、最も重要な研究対象は人と人との相互作用です。

システム心理学では、グループ内での人間関係とコミュニケーションに重点が置かれています。人間関係とそれらから生じる要素を分析します。この学派では個人は「システム」と呼ばれるさまざまな集団において相互に関わっているとされます。これは各グループまたは集団、家族、仕事の仲間、恋人同士など様々な関係に当てはまることだというのです。

実質的にこのタイプの心理学はその基盤を文脈に置いています。人が動く様々なエリアが考慮に入れられるのです。個人の発展や成長において、その人が自分と身の回りをどのように結び付けているかについても考えます。

ですので、専門家がシステム心理学を使用することでさまざまなグループの問題を解決することができるのです。カップルだけでなく、作業チーム、家族、そして個人に対しても機能します。

この記事では、システム心理学がどのように生まれたのか、その定義と原理についてご紹介します。

システム心理学

システム心理学の起源

システム心理学は、ベルタランフィが定義した一般システム理論に基づいたものです。彼は、20世紀後半にこれを提唱し、相互作用の概念の重要性を強調しました。彼は、システムは当事者または人々の相互依存関係の重要性を、彼の理論の中で主張したのです。 今回ご紹介する「システム」心理学の概念は、一般的システム理論とは少し異なります。

システム療法の起源は人類学者のグレゴリー・ベイトソンとその研究チームにあります。彼らはカリフォルニア州パロアルトで研究を行いました。ベイトソンは、ジャクソン、ヘイリー、ウィークランドなど他の研究者と協力し、統合失調症の家族のコミュニケーションシステムの分析を行いました。

メッセージとメタメッセージが矛盾するコミュニケーション状況におかれることを意味するダブルバインド理論は、ベイトソンの研究から生まれました。この理論は、システム心理学の基礎に貢献しており、ダブルバインド理論をコミュニケーションのジレンマと見ることができます。互いに矛盾しながら2つ以上のメッセージが同時に現れることがあるからです。

人間のコミュニケーションという現象が、システム療法において非常に注目されているのは明らかです。ポール・ワツラウィックは、ヒューマンコミュニケーションの理論を用いて、コミュニケーションの実際的な側面に関連する問題に取り組みました。 彼の理論では、行動に対するコミュニケーションの影響を考慮しました。

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システム心理学の始まり

以下で、システム心理学の基礎的な側面を挙げていきます。

システム全体

この学派では、専門家はシステムを全体として考えています。それは、全体がそれぞれの合計以上の価値があるからです。そのためシステム心理学では、異なるシステム要素の相互作用から生じる全体の特性を強調しています。特に、人々の相互作用から生じる関係に重点を置いています。

さまざまなシステム(家族、友人、パートナー、同僚など)は、コンテキストフレームワーク内で互いに関連しています。このフレームワーク内で、人々の役割と行動はシステムの戦術的なルールによって決定されます。また、メンバー間の相互作用も大きな役割を果たします。システム心理学ではこれらの役割と行動に注目して分析を行います。

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多因性起源

システム心理学者は、物事を循環的かつ多因性の観点から見ます。そのため、ある出来事に対する原因が1つだけではなく、さまざまな決定要因があるとしています。すべてのアクションと反応は、文脈の性質に応じて継続的に変化します。たとえば、家族のメンバーが同じ出来事に異なる方法で反応する場合があります。これにより、最終的な状況が変わる可能性があります。最終的な状況は、発生するさまざまな反応のすべての組み合わせであることがわかります。

ポール・ワツラウィックは、この循環的な出来事の因果関係を区別して、相互作用の可能な反復パターンを唱えた先駆者でした。問題の循環的なビジョンは、個人がどのように行動に影響を与えるかによって特徴付けられます。

ポール・ワツラウィック システム心理学

コミュニケーションの重要性

上で述べたように、ポール・ワツラウィックはシステム心理学の中で重要な役割を果たした人物の一人です。彼のコミュニケーション理論が取り入れられてから、この分野で彼の存在は大きなものになったのです。専門家は、これがセラピーのプロセスの中でカギとなる要素だと考えています。システム療法でも、コミュニケーションは研究を続けるべき重要なトピックなのです。

すべてのシステムには、システムセラピストが知るべき特定のルールがあります。そうして初めて、そのルールが不適切な場合にその対策ができるからです。 システム療法では、 コミュニケーションの方法によって、問題がまだ存在しているのか、それとも少なくなったのかを判断します。

今回ご紹介したように、システム心理学は問題について異なる視点を提供します。 この観点では、個人よりも人間関係が非常に重要視されています。また、様々な研究のおかげで、システム療法にもいろいろな分岐や学派が出てきています。

Hoffman, Lynn ([1981] 1987). Fundamentos de la terapia familiar, Fondo de Cultura Económica, México.

Umbarger, Carter (1983). Terapia familiar estructural, trad. José Luis Etcheverry, Amorrortu, Argentina.

Watzlawick, Paul, J. Beavin, D. Jackson ([1967] 1997). Teoría de la comunicación humana, 11ª ed., Herder, España.