「飛んで火に入る夏の虫」現象

2019年10月19日
飛んで火に入る夏の虫、というのは、感情的な依存について比喩的に表したもので、自分に有害な物事を魅力的に感じてしまう場合についての言葉です。その一方、そのせいで、自らを解放してくれる物事に関しても恐れを抱くようになってしまう可能性もあります。

人は時に、自らを苦しめるような状況から抜け出すことが不可能なように感じてしまいます。この現象は、その状況が生み出すストレスがどれほど強く脱出を促そうとも、それに関係なく発生するのです。そうなると、比較的容易に依存状態に陥ってしまいます。このようにして、私たちは「飛んで火に入る夏の虫」現象に巻き込まれてしまうのです。

依存状態に関しては、見捨てられることへの恐れが最も強い恐怖であり、自らを制約するようなものとなってしまうことがあります。この恐怖心により、自分自身を人生の傍観者のようにさせてしまうのです。健全な人間関係を見つけられず、有害な交際関係を構築していきます。飛んで火に入る夏の虫現象によってこのような事態が引き起こされてしまうのです。

しかし、この現象は具体的にはどういったものなのでしょうか?どうすれば悪循環に陥らずに済むのでしょうか?これらの事実を認識するとどんな良いことがあるのでしょうか?以下の含蓄に富んだ引用文から、その答えの探求を始めていきましょう:

“物事を流れのままに任せるというのは、自分が最も恐れている事態に向き合うことがたとえどれほど困難であっても、それを受け入れねばならないということです。これにより、幸福への道を切り開くことができるのです”

飛んで火に入る夏の虫現象

心理学者で作家のデイヴィッド・ソーラが提唱したように、この現象は人々が自らを苦しめるような状況に自分自身を引き戻してしまうようなややこしい行動について言及するものです。特に、過去の恋愛関係を指すことが多いのです。

ということで、今回は、過去の恋愛関係に再度依存してしまうような人々に起こっている現象についてお話ししていきます。これにより、過去に抱えていた問題を再度繰り返すことになるので、この現象が起きるたびに彼らはかなりの苦しみを味わうこととなります。

「飛んで火に入る夏の虫」現象

より具体的に言うと、元恋人とヨリを戻すためならどんなことでもするような人々について考えていく、ということです。こういった人々は、過去の恋愛相手にメッセージを送ったり電話をしたり、贈り物を購入したりなどしますが、端的に言うと、パートナーに見捨てられないために必要だと思うことはどんなことでもしてしまいます。

しかし、なぜこれが飛んで火に入る夏の虫現象と呼ばれるのでしょうか?それは、夏の虫は炎が作り出す光に強烈に惹きつけられますが、炎に近づくにつれ、苦しみも増えるという事実があるからです。それなのに、虫たちにとっては炎はあくまでとても魅力的な刺激なのです。

この現象の結果起こり得るのが、自尊心の喪失です。自尊心こそ、炎の餌食になってしまう最初の犠牲者であり、それだけでなく、これによって感情の抑制ができなくなったり現実を見失ってしまう、と言う事態も引き起こされます。

飛んで火に入る夏の虫にならないようにするためには?

以下に、飛んで火に入る夏の虫現象に対抗するための戦略をいくつか紹介します:

  • 自己認識力を高める。自分自身を知ることで、自らの無分別な行いを認識することができます。また、これにより、なぜ自らを苦しめるそういった行動が魅力的に見えるのかについても理解することができます。そしてこれが、自身の行動パターンからそういった行為を排除するための基盤となるのです。
  • 自尊心を高める。自分自身の価値を認識することができれば、自身の尊厳が守られる安全な範囲を超えてしまうような行動を安易に取らずに済みます。
  • 他人を理想化するのはやめる。時に人は、恋する相手を完璧な存在であるかのように思い込んでしまいます。完璧とまではいかないまでも、本来よりも優れた人物のように思えてしまうことがあるのです。これにより、関係を保つための代償がどれほど大きくても、関係を守ろうとしてしまいます。
  • 独り身でいることも別段悪いことではないのだ、と認識する。これは、その人個人のシングルになることへの意見次第です。一人の時間を上手く使って、自分自身について考えたりどんな活動をしている時が一番楽しいのかについて考えてみましょう。
  • 自分をごまかそうとするのはやめる。つまり、自らの人生に実際に起こっていることについて把握し、自分自身に誠実になることです。
  • 物事をよりよく理解しようとする。周囲の状況について、より明確な観点を持つようにしましょう。また、他人の気持ちになって考えてみることも大切です。

全ての人に、自分が一緒にいたいと願う人と交際する権利があります。自分自身を大切にするためには、他人の権利についても敬意を払わなくてはなりません。これはまた、元恋人が自分とはもう付き合いたくない、と考えている時にも当てはまることです。

「飛んで火に入る夏の虫」現象

この現象について認識することによる利点

もしこの飛んで火に入る夏の虫現象の影響を受けているなら、そのことについて把握すると、以下のようなメリットを得ることができます:

  • 人生がもっとなだらかに動き始める。
  • 自分自身を感情面で再構築できる。
  • 自分自身の限界について、さらに他人の限界についても認識できるようになる。
  • 自らを許すことで、自分自身の解放につながる。
  • 共感心を高めることができる。
  • 人生の意義についてより深く探求できるようになる。

デイヴィッド・ソーラは自身の著書『From Emotional Chaos to Internal Liberation』の中で、この現象が起きていることに気づくためには自分自身に向き合うことが大切だ、と示しています。これに気づくことができたら、人生の質を高めてくれるような健全な人間関係を形成するための新たな道へ方向転換することが可能になるのです。

人は時に、飛んで火に入る夏の虫現象に巻き込まれてしまいます。しかし、そこから脱出できるかどうかはその人自身にかかっているのです。このような思考パターンに陥らないようにするには、強い自尊心や献身さ、限界値の設定、そして自己認識力が必要だということを忘れないようにしてください。

  • Solá, D. (2016). Del caos emocional a la paz interior: cómo lograr una sanación integral. Tyndale House Publishers.