美しさとは、ありのままの自分を受け入れること

2019年4月6日

自分自身を受け入れること以上に魅力的なことは何もありません。自分の価値観や強さ、ニーズを発見することに勝る満足感は存在しないのです。それがあって初めてベストな決断を下すことができます。その決断とは、自由を感じられたりある種の美しさを感じられたり、自分を個性的で本物に見せてくれるような類のものです。

禅マスターであるティック・ナット・ハンは、著書の中で、人は内なる自己とともに行動するときが最も美しいことを私たちに気づかせてくれます。この状態になれば、他者に自分を受け入れてもらうことを期待せずに済みます。そうではなく、自分自身の心や本質が自分を認めてくれるのです。

にも関わらず、ほとんどの人がまだ本当の自分自身というものを見つけたり認識できていません。それはまるで不可思議な呪文のようです。私たちは他者から認められた時にだけ自分自身に誇りを持てるのです。他者の言葉や仕草、コメント、認識によってのみ、自分自身に対してポジティブになれるような励ましを得ることができます。これが起こらなかったら、もしくはたまにしか起こらなかったら、おそらく無力感を感じてしまうでしょう。自尊心のつなぎ目がほぐれ始めてしまうのです。

一方で、韓国の哲学者ビョンチョル・ハンは、私たちは単調さという地獄の中で「焼かれている」のだと述べています。彼は著書『他者の排除:社会、知覚、そして今日のコミュニケーション』のなかで、この考え方について読者がじっくり考えられるよう導いています。私たちは自分の個性、つまり他人との区別になるようなものを見定める能力を失いつつあるというのです。ビョンチョル・ハンは、私たちは他人の要求を満たすことよりも自らのアイデンティティにもっと関心を持つべきだと信じています。

「自分を自分たらしめている心を信じてやるだけでも、もっと満足感が高くてバランスのとれた生活へ繋がるカギを手に入れるには十分です。」

-エレン・スー・スターン-

ビュン・チュル・ハン

ありのままの自分を受け入れる:本当の魅力を得る方法

ありのままの自分を受け入れるのには時間がかかります。しかし、そこに到達できれば、何もかもが変化するでしょう。自らの心や頭脳、そして身体に制限を与えていた慣例主義の呪縛から解き放たれるのです。他人に好かれなければ、また、他人の期待に応えなければ、という心配も消え失せます。

この個人の発達段階の頂点、つまりマズローが自己実現と定めた点まで到達できれば、世界が全く違って見えるはずです。より良い観点を得て、内なる平和を感じることができるでしょう。他の人の目から見ると、こういった人々は自分もそうなりたい、と感じさせるほど魅力的に映るのです。

しかし、ビョンチョル・ハンの理論に戻ると、頭に留めておくべきある点が存在します。社会が定めたレベルにまで達することができたことで自分自身を完璧に自己実現を果たした人物だ、と感じることが時折あるでしょう。しかし、ある時点で実は自分は頂点に立っているわけではなく深い亀裂の中にいるのだ、と気づくことになるでしょう。

崖に渡された木に座る女性

私たちの消費社会は、また教育システムすらも、人々を物質的な成功へと導こうとします。ですがこの道筋は自己実現とは全く関係ないものなのです。

本当に心からありのままの自分を受け入れたいなら、それ以外の部分を制覇しなければなりません。それは、自己知識、自尊心、自己愛、自己主張、目的達成力、そして何より感情的な自立といったものです。

ありのままの自分を受け入れるための3ステップ

ベルリン自由大学のウルリッチ・オースとルース・ジャセミン・エロールの研究によれば、人々の自尊心が最頂点に達するのは高齢になってからだそうです。もっと具体的に言うと、たいていの人が60代になった時に自尊心が最も大きくなるのです。なぜもっと早くそこにたどり着けないのでしょうか?なぜ若いうちにこの自己実現段階における重要な「筋肉」とでも呼ぶべき部分を発達させられないのでしょうか?

これにはたくさんの要因が関わっています。しかし、自分に制限を与え、ありのままの自分を受け入れることを困難にしているものを超えた先には、変化の必要性が存在しています。これは積極的になり、自尊心や自己実現に向けて取り組む必要性のことです。以下が、これを実現するための手助けとなる三つのステップです。

帰属スタイルを改良する

帰属スタイルとは、自らの成功や失敗に自分自身がどう関わっていくかというものです。あなたが何かを成し遂げた時、それは他人からの手助けのおかげでしたか?それともあなた自身が頑張ったからですか?自分の人生の主導権は自分で握ることが重要です。そのためには、自らの価値と能力を認識しておく必要があります。

耳を傾けるべきは内なる自分の声のみ

私たちの世界は、何千もの声で溢れています。家族の声、教師たちの声、上司、同僚、友人、両親、SNS、そして政治家や社会活動家の声などです。世界は、アドバイスをしてきたり何をすべきか指示してくるような人々でいっぱいなのです。

こういった騒音がある中で、唯一ほぼ沈黙させられている声があります。それが自分自身の声です。時折、周囲の騒音を抑えるためにエネルギーを使ってみてください。自分自身の声に耳を傾け、自分自身に注意を注ぎ、自らのニーズとの調和を目指してみましょう

道を歩く人

自分の情熱で人生を形作ろう

ありのままの自分を受け入れることが優先事項なら、情熱に従ってみましょう。他人の助言に惑わされないようにして、何をすべきか指図してくる人々には耳を貸してはなりません。自分のアイデンティティと調和し、自らの好みやアイデンティティや本質が人生を形作れるようにしてください。これらの原則に従って毎日の生活を送るようにすれば、もっと満足感が高くなるでしょう。それだけでなく、自己実現にも大きく近づくことができます。

他人の意見を気にすることなく己の道を突き進む勇気がある人々は、いつももっと魅力的に見えます。それは、最も美しい人々というのは古臭い価値観から脱却し、どんな瞬間でもどんな状況下でも本物の自分自身であろうとしている人々だからなのです。

  • Orth, U., Erol, R. Y., & Luciano, E. C. (2018). Development of self-esteem from age 4 to 94 years: A meta-analysis of longitudinal studies. Psychological Bulletin, 144(10), 1045-1080. http://dx.doi.org/10.1037/bul0000161