うつの言葉

うつは人生に様々な方法で影響します。しかし、それが最悪なのは、何もかもを壊してしまうことです。うつは行動やモチベーション、習慣、思考、そして言葉を変えてしまいます。
うつの言葉
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 21 12月, 2022

うつの言葉には声があり、それはあなたを変えてしまいます。不安、無感動、そしてうつがあなたが選ぶ言葉の中に浸透してくるのです。それはあなたの話し方にも影響します。すべてが短く、暗く、現実を捻じ曲げてしまう深いつらい気持ちから発せられてしまうのです。

うつは人生に様々な方法で影響します。しかし、それが最悪なのは、何もかもを壊してしまうことです。うつは行動やモチベーション、習慣、思考、そして言葉を変えてしまいます。ときには、うつに対応するのではなく、自分自身の一部としてその暗い存在を吸収してしまうこともあるのです。

「うつとは、あなた自身が苦しめられている囚人であり残酷な看守でもある牢獄である。」
―ドロシー・ロウ―

私たちは、このことを確固たる理由に基づいて言っています。この途方に暮れた心の状態を、通常の状態にしようとする人もいるのです。うつを抱えた男性や女性は、自分の義務や責任をどうにかこうにか果たしますが、その後ろをつけまわす影の存在には誰も気が付きません。これについては、現在ではソーシャルメディアを使ってうつに関わる言葉のパターンを特定する新しい技術が開発されました。その結果、私たちの社会には高い割合でうつが存在するということが示されたのです。

SNSやインターネットの掲示板上での人々のやり取りから、うつの兆候を判別する研究がテキサス大学で行われました。例えば10代の人はこういったプラットフォームを気持ちのはけ口にしたり、コミュニケーションをとるために利用する傾向にあります。そして、明らかな精神的疾患の兆候が人々の中にほんとうによく見られ、その人たちがなんの治療も受けていないということは大変なことです。なぜ治療が受けられていないのでしょう? それは、その人たちの疾患をまだ誰も特定していないからです。

うつは跡を残すということを覚えておいてください。あなたがコミュニケーションをとる方法の中に、うつの証拠を示すカギがあります。うつの言葉について、もう少し深く掘り下げてみましょう。

うつの言葉

うつの言葉を特定するには

うつの言葉は私たちの文化の一部です。これは驚くべきことかもしれませんが、事実なのです。ミュージシャンの歌の中には、暗く複雑な人生の段階で、その時の心の状態を反映したものがたくさんあります。カート・コバーンエイミー・ワインハウスがこのジャンルにおいてはいい例です。彼らの歌詞が愛されているのは、私たちが悲しい歌や物語を好むからです。

この例は、演劇や文学、映画、詩などの中にも見ることができます。良く知られた詩人のシルビア・プラスはこのように言いました、「死ぬことは芸術である。その他のことと同じように。私はそれを特別うまくやる。」ヴァージニア・ウルフは、彼女の多くの著書、例えば「波」や「ダロウェイ夫人」などの中に、明らかで時に残酷なヒントをたくさん残しました。

特定のケースでは、こういった精神疾患は(上で例に出したような)クリエィティブな天才を生み出すことにつながることがあります。これはまるで悪魔との取引のようなものです。なぜなら、成功し、認知され、クリエイティブな才能を持っていることが、結局は芸術家の命を奪ってしまうことがよくあるからです。それが起ころうとしているのが私たちにもわかることもよくあります。彼らの作品には、切迫し、絶望的で、悲しい終わりを示すヒントが隠されているのです。うつの言葉には痛烈で、見分けやすいパターンがあります。その言葉はその人の心の内側の激しい揺れを反映する鏡なのです。

では、うつの言葉を特定する方法を見ていきましょう。

内容と言葉のスタイル

今年の初めに、臨床心理学誌の中で言葉を通してうつを判別する方法が共有されました。これは口頭でのコミュニケーションだけではありません。最初に触れたように、ソーシャルメディアを通じても特定の疾患を判別する技術を得たのです。

  • うつの言葉で最初に目立つ点は、その内容です。それはもちろん、ネガティブな感情に支配されています。絶望、宿命論的考え、そして「孤独」、「悲しみ」、「恐怖」などの言葉がよく出てきます。
  • 絶対主義的な表現が、うつの言葉には多く見られます。「解決法は無い」、「希望が無い」、「明日は存在しない」、「自分はいつも孤独だ」、「誰も自分を理解してくれない」などと言ったことを書きます。

専門家は、こういった表現と自殺願望を持っている人とを関連付けるということにも触れておきます。

言葉からうつを見分ける

代名詞の使い方

この種の言葉の特徴には、「自分」という代名詞しかほぼ使わないというものもあります。うつを抱えた心の世界は小さく、縮小し、抑圧されます。この苦しみの中には、たった一人の人物しか存在しません。この「自分」は他の人ともはやつながることができず、他の視点から物事を見ることができません。共感したり、つながりを感じたり、他の人のより楽観的な考えに対してオープンになる能力を失ってしまったのです。

一人称を使い続けることは、ネガティブな感情に圧倒されているということの表れでもあります。

沈黙思考のサイクル

言葉は思考や気分が反映したものです。ですので、うつをかかえていると、あなたがとりつかれている考えを反芻するだけになってしまいます。このしつこい習慣は、まるでよどんだ水のようなものです。新しいものは一切入ってこず、同じ古い情報だけがとどまり続け、腐ってあなたを病気にしてしまうのです。

ですので、うつを抱えた人は同じ話を何度も何度も繰り返し話題にするのです。ある会話やネガティブな考え、疑念、強迫観念に足を取られているからです。その人にそれを止めるよう頼んだり、話題を変えるようお願いしても無駄です。その人には単純にそれができないのです。

うつを抱えた人は思考がよどんでいる

うつの言葉を理解するのに役立つのは、あなたがあなたの周りの人の最初のヒントに気づき、介入しようとすることです。これは私たちの本当に多くの人に当てはまります。子どもや10代の子どもを持っている人は特にそうです。

特定の行動やコミュニケーションのスタイルを、10代は反抗期だから普通のものだと思う人もいます。しかし、こういったエネルギーや表現は個性を反映しません。そうではなくて、精神疾患の証拠であることが多いのです。うつは日々より一般的になっています。それに伴い、それにどう対応するのがベストなのかを知っておくことが、うつを防ごうとする上で重要なのです。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。