優越コンプレックスを持つナルシストに注意!

16 8月, 2020
今のような難しい時、自分の知性や道徳的優越心で、事実や情報を疑うナルシストはまったく必要とされません。今助けになるのは団結や調和であり、利己的な態度ではないのです。

いつまでも変わらないものがあります。それは、自分は誰よりも物事を知っているというナルシストの考えです。最近このような人を見る機会が多く、医療、介護、ウイルス学、政治、経済、地戦略などあらゆる科学の分野で、自分が専門家であるかのように振舞う人を多く見かけます

このような自己陶酔者と話し合うことは不可能です。必ず、自分の方が優れていることを見せつけ、自分が話す理論は絶対的に真実だと断言します。そしてもちろん、その理論には抜け目がありません。

個人心理学の創設者であるアルフレッド・アドラーは、人格タイプを熱心に研究した人物です。また、有名なオーストリア人心理療法士Heinz Ludwig Ansbacher博士は、自己陶酔者は社会のもっともネガティブな一面を表していると指摘します。これは人間の進化の促進とは程遠く、自己中心性により進化は妨げられてしまうのです。

私達が生きる今の状況を見ると、十分な知識をもたない人が自分は真実を知っていると主張し続けていることが分かります。しかしこういった人物は建設的な提案をするのではなく、批判に時間を使います。そして証拠が見つかると、すぐにそれをゆがめ、これにより論争、不信、恐怖があおられます。

この困難な時代に求められるのは、何よりもアイデアや助け合いを盛んにし、団結や同意を可能にする人物です。

ナルシスト 専門家

ナルシストが自分は専門家より賢いと考えるとき:なぜ、そのように振舞うか?

ナルシストが自分は専門家より賢いと考える時、決して互いの意見が一致することはありません。人のエゴにより会話や状況、日常的な関係が支配されると、私達はただ疲れるだけです

現在、これまでにないくらいこの状況が多くみられます。ソーシャルネットワークでも、耳にするものすべてを疑っている人を目にします。広く研究され、信頼性のある情報でさえもです。

もちろん、聞くことすべてを信じるのではなく、批評的な考えをもつことは重要です。しかし、光が霧に飲まれてしまう場合もあります。

自分は何でも知っているという人は、自身の建設的な提案や役立つ情報なしに、情報に反論をします。破壊し批判することは、この困難な時に何の役にも立ちません。これでは不確かさや不安が増すだけです。

また、ナルシストと生活し、彼らの考えを毎日聞かされる人の身にもなってみましょう

この特性は、スペクトラムであることを知っておくことは重要です。つまり、ナルシストの特徴を少し持つ人もいれば、明確な自己愛性パーソナリティ障害を持つ人もいます。

自己愛性パーソナリティ障害の人と暮らすことは非常に難しく、精神的に疲れます。特に、自宅待機、世界的なコロナウイルス危機というこの状況で、精神的問題や性格特性は悪化し、非常に厳しくなります。

優越コンプレックスと劣等コンプレックスが出会うとき

ナルシストが自分は専門家より賢いと考えるとき、知性において自分が優勢であることを示したいというニーズが現れています。科学の様々な分野で自分の情報量、知性、知識を示しつつ、何より相手を征服しようとします。

そして、世界は2つに分けらると信じ込ませようとします。世界を、何も知らない人とすべてを知っている人の2つに分けたいのです。

なぜ、このようなことをするのでしょうか?ナルシストの人格の研究で、ジークムント・フロイトを受け継いだアルフレッド・アドラーは、当時重要なことを指摘しています。優位性を見せたい自己陶酔者の裏には、劣勢な人物が隠れているのです。

また、興味深いことに、自己陶酔者の自尊心は非常に低いものです。実は、彼らの行動はこの低い自己概念により突き動かされたものであり、これらの行為により自分が保護されていると感じるのです。低い自尊心を隠すために、過言や誇張を使い、自分を人より優位な位置にもっていくために批判を使います。

そして、非常に重要なことを忘れてはいけません。それは、優勢でいようとすることは、防衛メカニズムの中でも非常に悪いタイプのものだということです。その理由は非常にシンプルで、必ず害を伴うためです。

ナルシスト 専門家

知的でありつつ控えめな態度の重要性

ナルシストは、自分は専門家より知識があると考えます。これはいつまでも変わらないでしょう。困難な時に光を照らすどころか、隔たりは大きくなり、空気が冷たくなります。自己陶酔的なリーダーのいる会社や組織にいる方は、このような人が役に立たず、好かれもしていないことを知っていることでしょう

80~90年代、縦社会で会社を管理する、支配的、利己主義的、あるいは攻撃的な上司がたくさん見られました。しかし現在これは変わってきています。

困難な時代に、チームを作ることができる人が勝者になっています。アイデアを出し、人の意見を壊さない人が活躍します。世界的に困難な時に、私達は団結力をもつ必要があります。しかし、そこに批判により不和を大きくする声があれば、不快感もたらされるだけです。

はっきりさせておきましょう。適切で知的な人間性を備え、人の話に耳を傾け、考えを大事にし、提案する人が勝者になれます。優秀で謙虚でありながら、感情知性を備えた人が必要とされています

今日の社会に自己陶酔は必要ありません。それでも、私達はこういった人たちと暮らさなければなりません。そこで、ナルシストの力を強めることだけは避けましょう。今こそ不和を生むのをやめ、団結する時です。

  • Ansbacher H. The significance of Alfred Adler for the concept of narcissism. Am J Psychiatry. 1985 Feb;142(2):203-7. DOI: 10.1176/ajp.142.2.203