沈黙の苦しみ:人間らしくも破壊的な行為

沈黙の苦しみ:人間らしくも破壊的な行為
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 21 12月, 2022

多くの人が沈黙の苦しみを経験します。自分の中にある小さな殻の中に隠れて、誰にも気づかれる事なく一人で静かに苦しむのです。何事もなかったように振る舞いますが、終わりのない闘いはずっと自分の中に存在しているのです。そして、ある日耐えられなくなる日が来るまで、それを壊すことは出来ないのです。

私達人間は社会的な生き物です。しかし、ほとんどの人が一人で苦しむことを選びます。楽しい瞬間や面白いことは共有するにもかかわらず、そうしてしまうのです。

私達は自身の生活を確かにコントロールが出来ていると実感する為に、人と人との間にあるルーティーンを維持することに固執しています。そして、自分の中で何も嫌な事は起こってないように振る舞うのです。

「あなたには、死のための勇気より、苦しみに立ち向かう為の勇気がもっと必要です。」

-マレーネ・ディートリヒ-

心理学者と精神科医の両方が、トラウマと沈黙に密接な関係があるのをよく理解しています。私達を傷つけている何かについて声高々に話すのは簡単な事ではないのです。

そこには2つの理由があります。人は脆い部分を必ず持っていること、そしてそれを判断されるのを恐れていることです。それは、この無情な世界では、強い精神、性格を持っている人が勝つという事実があるからなのです。我慢強く、不満をこぼさない楽観主義者や自分に自信を持った人間が良いとされているのです。

現在の世界では、苦しむという行為は未だに理解しがたく、不名誉なものと捉えられています。残念ながら、多くの人が適切な治療を受けることなくうつ病を患っている事実があります。実際に若者の自殺率は心配になるほど急上昇しています。

一瞬でもいいので考えてみてください。

雲に紛れる女性の顔

一人で苦しまないほうがいい理由

少し前に、有名な新聞社が自殺を考えていた一人の女性に個人的に手紙を送ったという話がありました。当時彼女は3人目の子供の母となり、朝ベッドから起きる気分になれないという投書をしていました。そして、それに対する80%のコメントは、なんと中傷的なもので、とても酷い内容のものだったのです。

産後うつ病は今もなおタブーなテーマです。もし、産後に女性がこのような気持ちの障害を経験すると、不名誉な事として扱われるのです。

なぜなら、この社会では、彼女のような人に対して完璧で幸せな人物を期待するからです。故に、多くの母親が孤独にこのような苦しみを経験し、世界から批判される事を恐れるのです。

同様に、十代の人達にも起こります。男女共に、いじめの対象になり、誰にも助けを求めることなく一人で苦しむのです。彼らは孤立感を自分達の部屋に隠して、その部屋だけに安全を感じるのですが、もちろんそれだけで解決することではありません。

私達はいつも手遅れになる前に行動を起こす必要があります。自分達の意志が弱くなる前や人生に意味を感じなくなる前に起こさなければいけないのです。

涙を流す女性の目

沈黙の苦しむを辞めるべき6つの理由

最初の理由はとてもシンプルで明らかです。もし、辞めなければ、その苦しみはずっと存在し続けるのです。もし誰かに助けを求めなければ、苦痛はさらに悪化します。そして、それは長期的で、破滅的な沈黙と成り得るのです。

  • 苦しみの症状はより克服しづらいものとなります。一人になることを選ぶと痛みはさらに悪化し、症状はより複雑なものとなってしまうのです。
  • ネガティブ思考はより苦しみを深めます。自分自身が作った罠に引っかかってしまうのです。
  • 社会的接触が居心地悪く感じる瞬間が来るでしょう。そして、それを拒否してしまう時も来てしまいます。そうなると、ハグや愛情、そしてフレンドリーな言葉はその意味を失ってしまいます。疑い深くなり、そのような行為を脅しと解釈してしまうのです。
  • 助けを求める事を先延ばしにしてしまうと、その分治癒が難しくなります。
  • 不名誉な状態を継続させてしまいます。何らかの行動を起こさない事や、自分を助けない事、信用できる誰かに何が起こっているのか伝えない事は、沈黙の中にあるトラウマと苦しみを助長させる事に繋がってしまいます。

癒す為の繋がり

苦しみは私達を孤立させます。しかし、周りの人間と繋がる事は治療になります。信頼できる人や専門家に自分の脆さや痛みを共有することで、前進することができます。

まずは自分自身を妨害することを止めることです。誰も産後うつを経験したいと思いません。誰もいじめの対象になりたいと思いません。誰も幼少期に経験したトラウマに繋がれた奴隷になりたいと思いません。そして誰も、自分を愛するのを止めて、自分を悪く扱ってやろうと思うことはないのです。

「苦しいときは、幸せな瞬間を思い出してください。少しの小さな光がその闇の終わりとなるのです。」

-アレハンドロ・ジョドロウスキー-

蝶に触れる女性

この苦しみから抜け出せたとき、私たちの心は浄化されます。たくさんの人たちが心理セラピーに怒りの鎧を纏って訪れます。それは、ただ彼らの脆さを隠しているだけなのです。

最終的に、セラピーは彼らに和解や周囲との繋がりを促してくれます。そして、少しずつ彼らの纏っている鎖を切り落としてくれます。

時間がかかり、退屈なプロセスですが、それは私達が沈黙の苦しみを止める為に、自分の事を理解して助けてくれる誰かを見つける為に必要なものなのです。

少しでいいので考えてみましょう。孤独から抜け出し、恐怖を感じることなく、もう一度自分らしさを取り戻しましょう。

最後に覚えておいてほしいことがあります。それは苦しみは私達を変えてしまうことがあるということです。その苦しみは、私達が違う人物に変わるまで追いかけてきます。自分自身に誠意を持つことは、あなただけにしか出来ない事なのです。

 


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。