誰に対しても素直に生きる、という生き方

他人に対して心を開きたいならば、まずは自分自身に対して素直になる必要があります。自分は何が欲しいのか、そして何がいらないのかがはっきりとわかっていれば、情緒的に消耗してしまうような状況を避けることができるでしょう。
誰に対しても素直に生きる、という生き方
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 21 12月, 2022

素直でいることで、時間を節約し、人間関係を健全に保つことができます。自分自身の限界や、自分が正しいと信じるものに関して正直になれば、他人と良い関係性を持つことがより容易になり、不快な状況も避けることができます。しかし、自分自身に対しても他人に対しても誠実であることは必ずしも簡単なことではありません。素直さを保つことは一つの生き方であり、積極的な働きかけを必要とすることなのです。

孔子によれば、常に真実を口にする正直者は、すでに天国への道筋に立っているそうです。それができれば良い気分を味わえるとはいえ、ほとんどの人が拒否されたり批評されるのを恐れて悪意のない嘘をついてしまいます。

生活の中には、嘘が半分くらい混ざった内容を伝えざるを得ないような状況がたくさんありますが、良かれと思ってついた罪のない嘘が、結果的に良くない状況を生み出してしまうこともあるのです。しかし、正直な自分が(過剰になりすぎることなく)デフォルトの自分であるべきでしょう。これが、自分自身にとっても周りの人々にとっても健全な生活を築いていくための一つの手段なのです。

“正直さは地味なことだが、奴隷のようにはならなくて済む”

バイロン卿

素直に生きる 生き方

自分自身に対して正直になる

透明性の高いコミュニケーションを行い、壁や嘘、恐れ、謙遜から自由になることで、生活に調和がもたらされます。偽善心の塊のような人々は、自分がいかに敬意を持った正直な人物であるかを自慢したがりますが、彼らの感情や行動、そして考え方は偽物なのです。

この世は、歪んだ生き方をする人々で溢れています。彼らは一つのことについて考え、それとは別の言動をし、自分の世界観とは正反対の行動をとるのです。このように自らの考えや希望に沿わない生き方をしていると、長い目で見ると惨めさを味わうことにつながってしまいます。

南デンマーク大学のスティーブン・ローゼンバウム博士の研究は、正直さが社会の規範となるべきだ、ということを明白にしています。正直さや透明性は人間関係を円滑にし、職場での成功を助け、情緒的な安定を得ることにも繋がるというのです。これが自分自身および周囲の人々の幸福の基盤となります。

そのほかのあらゆる物事と同様に、正直に生きることにもまた「言うは易く行うは難し」が当てはまります。以下に、正しい道へ進むための手助けとなる戦略をいくつか紹介していきます。

まずは自分自身に素直になることから始めよう

恐怖心を増大させるような心の声に耳を貸さないでいることは困難です。「もしそんなことを上司に言ったら、きっと怒られるぞ」または、「本心を友達には言わない方が良い。言っても拒絶されるだけだ」など。こういった防御機能により、本当に言いたいことや行いたいことを実行できなくなってしまうのです。これにより正直さを保てなくなるだけでなく、人間としての成長の機会まで逃してしまうことになります。

自分自身に素直でいるためには、心の内側での真摯な、そして勇敢な会話が必要となります。自分は何を欲していて何を必要としているのかを自問し、それに対して本物の答えを出さなければならないのです。そうして初めて、他人に対しても正直に接することができるようになります。

素直に生きる 生き方

不誠実は不幸せにつながる

前述の通り、誠実になれば貴重な時間やエネルギーを節約することができます。また、これにより、自らの価値観にそぐわない人々や活動に無駄な時間や労力を費やしてしまうような事態も避けられます。人と人とが互いに真の姿を晒し合うことが出来れば、簡単に信頼も生まれるのです。下心なしに本心で接してくれる相手から助言を得ることほど素晴らしいことはないでしょう。

嘘の混じった言葉や悪意のない嘘は、一方で、すぐにさらなる嘘や騙し合いに繋がってしまいます。これらは互いの間にトランプでできた家のように積み上げられていき、いつ崩壊してもおかしくない状態になります。さらに、この防壁を保持するためには多大な精神的労力が必要です。このようなエネルギーの消費の仕方は無益で非論理的であり、不健全と言えるでしょう。

正直でいることは勇敢な行為であり、健全な生活につながる

ポー・ブロンソンとアシュリー・メリーマンという、幼少期の教育を専門とする二人の心理学者は、彼らの著書である『間違いだらけの子育て−子育ての常識を変える10の最新ルール(2011年)』のなかで、”子どもたちは私たちが考えている以上に親たちに嘘をつくものだ”、と記しています。彼らが嘘をつくのは、親を喜ばせ、期待に応えるためです。子どもたちは、自分が本当に感じていることを伝えると親にがっかりされてしまう、と考えているのです。

おそらく、そもそも人間が嘘をつくようになった理由はここにあるのでしょう。私たちは、他人を失望させたり、相手の考える自分でいられないことに恐れを感じています。人間関係にヒビが入ったり、愛する人と距離をおいたりする事態は避けたいのです。それを理解するのは簡単ですが、「不誠実さが等身大の自分を裏切ることになる」という事実を変えることはできません。

心の底から正直になることで、衝撃や驚きを生んでしまうこともありますが、その価値は大いにあります。長期的に考えれば、これによってより健全で幸福で、自分にとっても周りの人にとっても意義深い生活を作っていくことができるのです。素直に生きることは、たくさんのポジティブな結果につながる生き方です。早速始めてみてはいかがでしょうか?


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  • Rosenbaum. Mark, Billinger. Stephan (2014) Let’s be honest: A review of experimental evidence of honesty and truth-telling. Journal of Economic Psychology Volume 45, December 2014, Pages 181-196. https://doi.org/10.1016/j.joep.2014.10.002

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