母親としての孤独感 − どう対処すればいい?

多くの女性たちが、子どもを産んだ後に母親としての孤独感や罪悪感、そして困惑といった感情を経験します。あまり知られていないかもしれませんが、実は非常によく見られる現象なのです。
母親としての孤独感 − どう対処すればいい?
Elena Sanz

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Elena Sanz.

最後の更新: 21 12月, 2022

一般的に、世間は母親のイメージについてかなり理想化された考えを抱いています。多くの人が、子どもの誕生は女性にとって最も達成感の大きな局面だ、と誤って捉えているのです。一般的に、出産して母になることは喜びや達成感にあふれた瞬間であるべきで、自然に生きる意味を実感できるような出来事であるべきだとされています。このような固定観念に囚われた社会では、女性たちが母としての孤独に苦しめられ、困惑したり罪悪感を抱いてしまっても不思議ではないですよね。

もちろん、母になることが美しく、やりがいのある経験であることは確かなのですが、全てがそれほど思い通りに進むわけではありません。そのため、母になることで生じるあまり好ましくない部分についての理解ももっと広める必要があるでしょう。特に子どもを持つことによって生じる課題や困難といった点を知らしめなければなりません。その中でも主要なのが、母親になったばかりの女性たちが苦しむ可能性のある孤独感です。

“私が知っている全ての病気の中で、孤独が最も深刻な病気です

-マザー・テレサ-

母親 孤独感

母親になっていく移行過程で感じる孤独

子どもを持つと、その人の生活はガラッと一変します。母親の体には見た目からわかる以上の変化が訪れ、感情の激しさも増してしまいます。さらにホルモンの流れが変わるので、心も不安定になる場合が多くなります。そして、これに母という新たな役割に適応しなくてはならない心理的なストレスが加わります。この新たな役割は、その人物のアイデンティティを形成していたその他の個性や役割をほぼ奪い去ってしまうことが多いため、苦痛を生むのです。

母という役割を与えられたことで、突然妻としての、あるいは娘や友人、労働者としての自分が失われてしまうように感じてしまいます。今や母としてフルタイムで働かねばならず、実質的にひとりぼっちなのです。赤ちゃんは四六時中母親の存在を必要としており、身体的にも情緒的にも完全な状態を維持するために完全に母親に依存しなければなりません。

パートナーやその他の家族からのサポートを受けることができたとしても、結局は24時間ずっと家で赤ちゃんと過ごさなければならないのは母親なのです。

母としての孤独、睡眠不足、そして孤立

主に睡眠不足や心身の疲労、そして他の大人のサポートがない状態などが原因で、女性は母としての重荷に恐れを抱くようになります。それはこれまで誰からも教えられなかったような重荷なので、このせいで凄まじいほどの罪悪感や母としての未熟さを感じてしまいかねません。

しかし本当に女性がそれほど悲しみ、感情を失い、途方に暮れてしまうことなどあり得るのでしょうか?我が子が生まれて幸福感を味わっているはずではないのでしょうか?なぜ達成感を感じられないのでしょう?

赤ちゃんの誕生から最初の数年間に孤独を感じてしまう母親は驚くほど多くいます。育児の大部分を担い、一人きりで行わなければならない状況では心がかなりのダメージを受けてしまうのです。だからこそ、女性たちにはこのような問題が存在していることを伝えておき、ダメージを和らげるために必要なリソースを提供しなければなりません。

母親 孤独感

母親たちの孤独心を和らげるには

まずは、罪悪感を忘れ去らなければなりません。我が子が生まれたからといって、いつでも気分良く満足した状態でいなければならないわけではないのです。どんな気持ちになっても構いませんし、その感情を感じたり表現する権利があります。ただ、そういった感情がどこから湧いてくるのか、出どころは理解するよう努めましょう。そうすれば対処する方法も見つかるはずです。

疲れていたり、あるいは孤独を感じているからといって、それは我が子を愛せていないという意味ではありませんし、悪い母親というわけでもありません。おそらくこれは、自分のアイデンティティを取り戻すために少し休憩が必要だという警告なのでしょう。自分は大いに価値のある、母としての役目以外にもたくさんの素晴らしい強みを持つ人間だということを忘れないようにしてください。

これを踏まえ、躊躇せずに他の家族や友人などに助けを求めたり手伝いを依頼するようにしましょう。そして自らの負担を少しでも軽くしてください。自分以外の大人にも、家事や赤ちゃんの世話を手伝ってもらいましょう。そうすれば少なくともお風呂に入ったり散歩に行ったり、友人とおしゃべりしたりする、自分のためだけの時間が作れるはずです。

赤ちゃんが生まれてからの数年間は、子どもが母親の時間を食い尽くしてしまいかねないので、女性たちはセルフケアをおろそかにし、自身の楽しみを先延ばしにしてしまう場合があります。

最後に

しかし、自分自身の気分や体調が優れない状態では子どもの世話などできないということを覚えておきましょう。子どもに必要なのは、幸福で穏やかで、満ち足りている母親なのです。自分の心身の健康を整えるための余裕を持てれば、子どもの面倒を見るに当たってもより良い気分でいられるはずです。

母親が孤独を感じてしまう現象は非常に広く見られますが、決して乗り越えられないものではありません。他の大人たちとのつながりを活かし、時には自分自身を優先するようにしてみてください。母親であるがゆえに、檻に閉じ込められたような感覚に陥ってしまうのは何としても避けなくてはならないのです。


引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。


  • Berlanga Fernández, S., Pérez Cañaveras, R. M., Vizcaya Moreno, M. F., & Berlanga Fernández, F. (2014). Satisfacción en la provisión de redes de apoyo social en grupos de acompañamiento a la maternidad. Enfermería global13(33), 18-32.
  • Hidalgo García, M. V., & Menéndez Álvarez-Dardet, S. (2009). Apoyo a las familias durante el proceso de transición a la maternidad y la paternidad. Familia: Revista de ciencias y orientación familiar, 38, 133-152.

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。