傷つけられたのは心?それとも期待?

破局はどんなものであれ痛ましいものですが、心が傷つけられたという言い方には語弊があります。実はこの時私たちが経験しているのは、期待が踏みにじられたことによる痛みなのです。
傷つけられたのは心?それとも期待?
Elena Sanz

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Elena Sanz.

最後の更新: 21 12月, 2022

生きていれば誰しもが破局を経験したことがあるか、あるいはこれから経験するはずです。しかしながら、その時に心が傷つけられたと感じたとしても、実はその痛みは期待が傷つけられたことによるものなのです。人によってはこの状況を普通の人以上に苦しいと感じてしまうこともあるでしょう。事実、本当に動けなくなるほどの痛みを味わう人々もいるほどです。

こういった人はよく、別れた相手に対して強くて深い感情を持っていたのだろうと誤解されがちですし、それほど強い痛みを感じるのは弱い心の持ち主だからだろう、と思われてしまうこともあります。しかし実際には、苦しみの根底にあるのは過度な愛情や個人的な弱さではありません。破局後の苦しみは、期待が裏切られたことによるものなのです。

傷つけられた 心 期待

傷つけられた心 vs 傷つけられた期待

恋愛によって心が傷つけられることは決してありません。文字通りの意味で言えば、生理学的に不可能なのですからそのようなことが起こり得ないのは明らかです。そして比喩的な意味だとしても心が傷つくことなどあり得ません。皆さんもおそらくある時点で、まるで恋人に自分の心を与え、恋人がそれを傷つけ壊してしまったかのように感じたこともあるでしょう。しかし実際には、認めるのは難しいかもしれませんが、そのダメージは自分で自分自身に与えているものなのです。

愛とは消え失せていくものではあれ、引き裂いたり壊したりすることのできるものではありません。心の底から誰かを真に愛している時、その人の苦しみは異なるものになります。なぜなら、そのような愛においては依存状態が生じないからです。そのため、自身の幸せを他の誰かの手に委ねることをしなくて済むのです。この時その人物は、誰かに自分を幸せにしてもらおう、満たしてもらおう、とは期待していません。

もちろん、誰であっても対人関係において何らかの期待を抱くのは当たり前ですし、ある程度のレベルまでならそれは健全なことだと言えるでしょう。周囲の人からの敬意やサポート、誠実さを期待するのは当然です。しかし、本物の愛情を抱ける人であれば、誰もが自分のウェルビーイングに対する責任は自分自身にあることを理解しています。そしてこの責任には、自分を適切に扱ってくれない相手から距離を置くべきタイミングについて知ることも含まれます。私たちは、誰に対しても自分を侮辱したり裏切ったり失望させたりするのを許すべきではありませんし、これらを自身の人間関係の一部にさせてはいけません。

非難

こういった状況が起こることに関して、他人を非難する傾向のある人がいます。しかし、そういった人々を傷つけているのは他ならぬ有害な相手と一緒に居続ける自分自身だけなのです。愛することは痛みを伴う行為ではありません。実は、相手に執着したり服従すること、本来の自分で居られないこと、そして他人からの愛を重視して自己を愛せないことから苦痛は生まれているのです。

誰の心であっても、愛しすぎた結果として傷ついてしまうことなど決してありません。なぜなら、本当の意味で誰かを愛すことのできる人であれば、他人の行動や別離によってそこまで壊滅的な思いをすることなどあり得ないからです。こういった人々は、自分自身以外の人の行動については、誰であれ他人がコントローすることはできないという事実を理解し、受け入れています。そのため、自身の完全な状態を守るために痛ましい状況から冷静に遠ざかることができるのです。

あなたは弱くなどない

大部分の人々と同じようにあなたにも心が傷つけられた経験があったとしても、罪悪感を感じないでください。こういった感情を味わったからといってあなたが弱い人間だというわけではありません。ましてや、あなたが他の人々と比べて弱すぎるわけでも、あなたのパートナーが特別貴重な存在だったというわけでもないのです。相手に過不足があったというわけでもありません。自身が感じた心が壊れるほどの苦悩は、単に期待が裏切られたことによる結果だったということを理解しましょう。

誰かとの交際が始まると、私たちはその相手との未来を計画し始めます。プランを立てたり目標を決めたり、その目標を具現化しようとするでしょう。そしてそれらの人生計画が実を結ぶことを願い、信じるようになるのです。

しかし、おそらく皆さんも既にご存知のように、人生には突然の変化が付きもので、自分の手でそれを制御できるとは限りません。そのため、物事が常に思い浮かべていた通りに進むわけではないのです。そして柔軟な心を持てておらず、上手く適応することができなかったり安定した自尊心が欠如している場合、このような挫折は強烈なインパクトを残しかねません。

一般的に、破局を経験した後に複雑な、あるいは病的な深い悲しみを味わうような人々はほとんどの場合非常に頑固です。そのため、確かさや自分の手でコントロールできる状態を欲しています。また、変化も恐れます。

傷つけられた 心 期待

期待が傷つけられた時の対処法を学ぶ

夢や計画をパートナーと共有するのは良いことです。しかし、自分自身の精神的・情緒的な安定を相手に委ねてはなりません。心を壊してしまうことなく変化に立ち向かえるよう常に備えておくことが重要です。そしてそのためには、自尊心や柔軟性といった面を鍛えていかねばなりません。

最後に、誰かに心を傷つけられたと感じる場合には、その苦しみの本当の出所について見直してみましょう。また、健全な恋愛を始められるか否かは自分自身の手にかかっているということを理解してください。まずは無条件に自分を愛するところから始めてみましょう。もちろん変化が恐ろしいと感じるのは当たり前です。しかし、確かなものなど何もないのですから、逆にどんなことでも実現可能なのだということを覚えておきましょう。


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