無秩序な愛着の5つの影響

無秩序な愛着の5つの影響
Beatriz Caballero

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Beatriz Caballero.

最後の更新: 21 12月, 2022

愛着は、安心と健康を求めることから主に発達する情緒的な繋がりです。しかし、初めに世話をする人が、子どもにとって危険と保護の両方を意味する場合があります。こうして、無秩序な愛着は発達します。

子どもが誰かに愛着をもつことは、実際のその人間の側にいて触れ合いたいと思うことを意味するとボウルビィ(1969)は言います。これは特定の状況、特に子どもが恐怖や疲れを感じたり、病気の時に起こります。さらに一歩進むと、私達は皆愛着を必要とします。ただ、それは常に変化し、新たな役割に適応し続けているのです

「子どもの過去が、世界に対してどう感じるか、そして世界が彼らに何を期待するかを条件づける。」

-チャロ・ブランコ-

 

なぜ、無秩序な愛着をもつ子どもは虐待者になるのか?

愛着Dタイプ(無秩序)は、健康的でない幼少期の環境とつながっています家族内の様々なタイプの身体的・精神的虐待が含まれます。暴力や身体的虐待の犠牲者は、無知やこれまでに良い例を見てこなかったために、人とつながることに問題を抱える場合があります。

幼いころにこのような子どもに伴う怒りは、何らかの形で人格に組み込まれるようです。このネガティブな感情の負荷により、行動をコントロールしたり感情を調節することが難しくなります。そして、暴力を働くリスクを高めます。

不当な罰や虐待は、それが彼らのロールモデルからくることから、犠牲者に非常に有害なメッセージであり、非常に深く内在化します。発達に重要な部分に大きく影響します。将来の社会性、感情的・認知的発達、彼らの子どもまでを傷つけます

次に、無秩序な愛着のもっとも顕著な影響5つをご紹介します。

虐待を受ける子ども

 

1.歪んだ自己像や自尊心

無秩序な愛着をもつ子どもは、悪い自己像をもつことがあります。親が彼ら自身をコントロールできない原因は自分にあるとすら考えるかもしれません。それにより、自分は悪く、無能で危険だと考えます。

その結果として、この世の中は基本的に不安定で混沌とした場所だと感じ始めます。規則やルールはありますが、理解できません。彼らは正しく行動することができません。

虐待された子どもは、劣等感をもっていることがよくあり、恥ずかしがりになったり恐ろしい行動として現れます。同時に、家庭に欠けているサポートを求めようと、周りの人の注意を引くために極度に活動的になることがあります。

 

2.行動問題の発生率が高い

不安定な愛着タイプ、特に無秩序な愛着は、反社会的行動や行動問題の発生率と関係します。家庭内で見られる関係のパターンを、友人やその他の人間関係の中に再現することがよくあります。

親の周りにいることで、混乱や不安を覚えます。そして、いつ、どのように、彼らのニーズに答えるかは分かりません。さらに、特に大人からの身体的接触を疑います

彼らの行動が無秩序な主な原因は、問題の解決法が見つからないことにあります。初めに世話をしてくれる人から離れることも近づくこともできません。実際、内側にも外側にも、情緒的な応答パターンが構築されていないことから「無秩序な愛着」と呼ばれます

 

3.不安とうつ

悲しみ、無関心、怒りは、このような子どもの表情によく見られる感情です。モチベーションにかけ、気分が落ち込み、自己破壊的な行動、もっとも深刻なケースでは、これらがすべて集まります。

恐怖、不安、心的外傷後ストレスなどの症状は、彼らにとって重要なのにコントロールできない生活の自然な結果です。

また、このような子どもは、初めの世話人との別れに伴うストレスに上手く対応できないようです。この「障害」の理由は、ネガティブな感情を調整する一貫したストラテジーに欠けることと関係しています

涙する子ども

 

4.注目と集中の問題

数々の研究のおかげで、ADHDの子どもは、自己規制スキル(衝動のコントロール、落ち着く力、愛着、忍耐力、抑制力の調整)が欠けていることが分かっています。

子どもと初めに世話をする人の初期の関係がこれらのスキルの獲得を決めます。そのため、愛着Dタイプの子どもは、スキルを獲得することが難しいのです。

家族を失った経験や虐待について話す時、子どもの理由づけや話に大きな欠陥が見つかります。非常に辛辣な経験は、脳の両半球が分かれているかのように、脳の繋がりを切り離す原因になりえます。左脳(より認知的)と右脳(より感情的)が切り離されるのです。

 

5.神経系の変性

このような子どもは、仲間や世話人と関わらないことがあります。必要なスキルや助けがないため、特定の状況で、他者への反応の仕方が分からないのです

実際に観察すると、子どもは明らかな方向性や意図をもたず、無秩序で不完全な動きをします。または、世話人がいる時でも、指をコツコツならし、その状況から離れたいことを表します。

彼らの振る舞いは、受け身なものから神経質なものまで、大きく変動します。具体的には、大人が他の子どもに近づき、特にその子どもが泣きだすと、大きな反応を示します。世話人の行動が予測できないため、子どもはすべての情報を求めています。彼らはとても用心深いのです。

「殴打だけが痛むものではない」

-パメラ・パレンシアーノ-

叫ぶ子ども

 

無秩序な愛着の長引く影響

愛着の欠如、身体的虐待、性的虐待は、無秩序な愛着につながりやすいです。幼少期に経験したすべてが、不安、恥、ひきこもる大人を生みます。彼らは、より痛みをもたらすものにつながる関係の構築や維持の仕方を学んだことに気づきます。しかし、変えることができません。

幼少期、象徴的に人の心の状態を理解する機会がなければ、愛着パターンは混沌としますそれに気づいたとしても、自分のアイデンティティを心理的表現に組み込むことができない状態は続きます

子どもが幼い時、何が起こっているか理解できない、また、大人になったら覚えていないだろうと考えることは間違いです。成長の課程で起こったすべてが、将来に影響する可能性があります

そう感じないとしても、こういった意味で、私達は愛情を注ぎ、理解する義務があります。安定した愛着を求めるのであれば、親は子どもに安心、保護、支えを与えなければなりません。子どもは未来の宝です。きちんと見守りましょう。

 

参照

Gayá Ballester, C., & Molero Mañes, R., & Gil Llario, M. (2014). Desorganización del apego y el trastorno traumático del desarrollo (TTD). International Journal of Developmental and Educational Psychology,  (1), 375-383.

https://www.fundacioncadah.org/web/articulo/tdah-apego-importancia-de-relacion-madre-hijo.html


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