サロベイとメイヤーによる心の知能指数理論

2019年7月24日
最近では誰もが心の知能指数について話すようになりましたが、それがいつでも事実だという訳ではありません。この記事では、この概念を最初に世界へ共有した人物の中でも、サロベイとメイヤーについて詳しく知っていただきたいと思います。

心の知能指数を研究することに関心を持ち始める人々は多く、自らの心をより上手く管理するためにどう役立つのか、興味を抱いています。その人気の高さにも関わらず、この理論の起源を知る人はほとんどいません。実は、サロベイとメイヤーによる心の知能指数理論が、ある本の中で最初に発表されたのは1990年でした。この本の中で、彼らは心の知能指数の定義について議論し、それがどう我々の行動や心に表現されるのかを説明しています。

当時、サロベイはイエール大学の教授、そしてメイヤーは博士研究員でした。彼らは、この議題について研究し、数多くの記事を出版しました。そういった功績があるにも関わらず、多くの人がいまだにこの概念は、最も積極的な提唱者であるダニエル・ゴールマンによるものだと思い込んでいるようです。彼は、自著である『EQ〜こころの知能指数』という1996年に出版された本の中でサロベイとメイヤーによる心の知能指数理論を一躍有名にしました。

ダニエル・ゴールマンの提唱する心の知能指数理論は、サロベイとメイヤーによるものとはわずかに異なっています。その結果、オリジナルの理論について少なからず混乱が生じてしまっているのです。

サロベイ メイヤー 心の知能指数理論

サロベイとメイヤーの心の知能指数理論

彼らの定義によると、心の知能指数とは自分自身の感情や他人の感情に関する情報を処理する能力のことです。また、これはこの情報を自らの思考や行動の指針として使う能力でもあります。

つまり、心の知能指数が高い人々は、自らの感情を利用し、理解し、管理するために十分に気を配ることができているということです。この2人によると、心の知能指数が高いとされる人には、以下のような基礎的な能力が備わっているそうです:

  • 自分自身および他人の感情を適切に知覚し、表現する能力
  • 思考の助けとして感情を使うことができる能力
  • 感情や感情的な言語・シグナルを理解できる能力
  • 目標達成のために自らの感情を管理できる能力

彼らの心の知能指数理論では、それぞれの能力に4つの異なる段階が設定されています。しかし、このプロセスは必ずしも自然に発生するわけではありません。反対に、普通は意識的な努力が必要になります。

以下がその4つの段階です:

1. 正確な感情認知と表現

第一の心の知能技術は、自分自身そして他人の感情を特定するというものです。まず、自分が感じているものが何なのかを理解できなくてはなりません。これには、感情だけでなく自らの思考も含まれます。

次の段階として、他人が考えていることや感じていることに関しても同様のことができる能力が必要です。例えば、他の人々の感情や、あるいはアート作品に表現された感情を理解できるということです。

第三段階として、自分の感情を正確に表現する能力も求められます。それだけでなく、自分のニーズをどう伝えるべきかも学ばなくてはなりません。

最後の第四段階では、正確な感情表現と不正確な感情表現とを見分ける能力を獲得することになります。

2. 感情を使用して思考を円滑化する

まず、感情は自らの思考を最も重要な情報に向けるために役立ちます。この段階ではまだ、自分自身の感情を考慮することができていません。

第二段階に入ると、感情が強まってくるので自分で特定できるようになります。その結果、それらの感情を用いた意思決定ができるようになります。

サロベイとメイヤーによれば、第三段階では感情が気分に影響を与えることになります。結果として、ある特定の話題について、異なる視点から考慮することができるようになるそうです。

最後に、第四段階では、感情が優れた決断をする役に立ち、もっと創造的に考えることができるようになります。

3. 感情を理解する

まず、基本的な感情を区別する能力を獲得し、それらを説明するための適切な言葉の使い方を学習します。その後で、この能力によってその感情を自分の気持ちに当てはめる、という第二段階へ進むことができます。

第三段階では、複雑な感情の解釈ができるようになります。最後に、感情間の移り変わりを感知できる能力が身につきます。例えば、怒りが恥に変わったり、驚きが楽しみに移り変わるのを知覚できるようになるのです。

サロベイ メイヤー 心の知能指数理論

4. 知的成長・感情的成長のための感情抑制

まず、この能力には自分の感情が実際に持っている重要な役割を制限しないようにする、という意志が求められます。これは、ネガティヴな感情よりもポジティヴな感情について、より達成しやすいそうです。この段階では、有益かそうでないかによってどの感情を特定すべきかを自分自身で決めることになります。

前段階では、感情を理解する能力を獲得しました。これはその感情にどの程度影響力があり、合理的であり、明確であるかによって発生し得るものです。最後の段階では、ネガティヴな感情を抑え、ポジティヴなものを増大させることにより、自分の感情も他人の感情も調整できるようになります。

心の知能指数:実用的な能力

サロベイとメイヤーの心の知能指数モデルは、心の知能指数について我々が現在知っていること全てを包括しようとしているわけではありません。ですが、この理論はその当時からするとかなり革命的なものだったのです。

この理論はシンプルで理解するのが容易です。ですので、心という素晴らしい世界をさらに深く掘り下げることに興味がある場合には、スタート地点にするのが最適な理論と言えるでしょう。