真に物事を見極めるには、目を閉じて

真に物事を見極めるためには目を閉じて心の内側を覗きこまなければなりません。そうすることで自分自身をつなぎとめ、再発見し、癒すことができるのです。常に騒音や先行きの見えない不安、そして混沌が溢れる世の中にあっては、自分の長所を伸ばすためにも心の内側への旅を始める必要があります。
真に物事を見極めるには、目を閉じて
Valeria Sabater

によって書かれ、確認されています。 心理学者 Valeria Sabater.

最後の更新: 22 12月, 2022

人には、周囲で巻き起こる物事をよく整理するために、穏やかなひと時や自分の心とつながれる瞬間が時折必要になります。そのため、真に物事を見極めるためには目を閉じなければなりません。こうすることで、現実世界の一時停止ボタンが押されたような状態ができます。すると、自身の思考や感情、要求、価値観などに考えを巡らせやすくなるのです。

おそらく私たちはあまりにも外部世界のことに集中し過ぎているのでしょう。したがって、今こそ再び自分自身の心に一度戻ってくるべき時なのではないでしょうか。

満足度の高い生活を送るために重要なのは社交生活だ、と説く研究や書籍、記事などを目にしたことがある方もきっといらっしゃると思います。

強固な友人関係を持つことや自分を幸福にしてくれる恋人がいること、そして自身を高く評価し、愛し、賞賛してくれる家族がいることで、私たちは社会の一員であるという自らの価値を感じることができるのは事実ですし、実は人類は原始時代から同じようにして生きてきました。しかし中には、これらすべてを有しているにも関わらず抑うつ状態に苦しむ人々がいます。では、そこには一体どんな問題があるのでしょうか?

不足しているのは心の内側の調和であり、自分自身に優しくしてあげられていない状態です。真の自分との間にへその緒のようなものがないと、ウェルビーイングは実現され得ませんこのへその緒から自尊心や自信、良好な感情管理、生きる目的などが自由に行き来し、ありのままの自分や自分の持っているものを受け入れられるようになるのです。周囲の人々にケアしてもらえばいいと思っていてはいけません。このように、心の中の自分とのつながりは人間の健康にとって非常に重要なのです。

真に物事を見極める 目を閉じて

心の内側の自分とのつながりを強めるためには、目を閉じて

ゲーテはかつて、真の人体とは神聖なほど素晴らしく作り上げられているため、一人一人がそれぞれの場所と時間の中でバランスのとれた、そしてすべてと調和のとれた状態でいることができるのだ、と述べました。しかしこれが本当に正しいと言えるのは、その人が心理的に良好な状態にある時のみです。なぜなら、土台のしっかりとした強くて明るい心を持てていないと、周囲との同調を感じることなどできないからです。

ここまでで、「心の中の自分」や「心の中の自分とのつながり」の重要性が一体何を意味するのか、疑問に思った方もいると思います。この種の概念はスピリチュアリティの分野で扱われることが多いですよね。しかし、心理学的観点から見ると、それではただ人間の心や頭脳についてのみに言及しているだけなのかもしれません。

この側面こそすべてであり、それを形成するのは真の自己です。そしてこれは、心の中の意識や思考、記憶、想像、感情、パーソナリティ、恐怖、価値観およびニーズが統合される場所に存在しています。

心というのは、2500年前にヒポクラテスが言ったように、単なる脳みそが作り出した産物ではありません。人の人格を作り上げるすべての要素が、心の中に存在しているのです。ただ、それを忘れていたり、心の内側で起こっていることを無視してしまう人もたくさんいると思われますが。

ペンシルバニア大学の認知心理学者で、人間の知能や創造性、潜在能力に関する数冊の本の作者でもあるスコット・バリー・カウフマンは、頭脳活動とはただ脳みその中だけで起こるものではない、と述べています。なぜならこれは、身体とも関連するものだからです。身体的な感覚や、他者との関わり方にも関連するものなのです。

心の中の自分とのつながりを無視したり、これを強固にする努力をせずにいると、ゲーテが言及した絶対的な調和を獲得することなどできません。しかしお分かりの通り、調和を実現するためのキーポイントもいくつか存在しています。

感情や情動を特定しよう、心の中の自分とつながるための最初の一歩

神経学者アントニオ・ダマシオの言葉を借りると、「情動は身体から、感情は心から」来るものだそうです。したがって、心の内部とコンタクトを取っている間は、自分の身に湧き上がってくるそういったすべての情動や感情を検知しなくてはなりません。

少し時間を作って、自らの身体に問いかけてみてください。胃のあたりに圧力のようなものを感じていませんか?心拍が早まってはいませんか?背中や顎が痛みませんか?

情動は身体反応を活性化させ、それがのちに心にまで届き、その存在が認識されると感情が形成されていきます。おそらく、その胃の痛みは恐怖や不安、あるいは欲求不満の産物なのかもしれません。そのため、こういった要素を特定し、受け入れてあげてください。つまり、その存在を認める必要があるということです。

真に物事を見極めるには、目を閉じなければならない

心の声は助けになる?それとも有害なだけ?

心の内側との繋がりを強固にするためには、目を閉じて自らの思考に耳を傾けなければなりません。特に、心の声を注意して聞いてみてください。なぜなら、この声こそが私たちを毒し、恐怖や不安を植え付けるスペシャリストだからです。心の声のしゃべり方や断言されている内容、そして強迫観念などによく注意を払いましょう。そして声に気づくことができ次第、出来るだけ早く声を止めてください。そうでないとのちに最悪の敵になりかねません。

目を閉じて自分自身を受け入れよう、私たちには平和とウェルビーイングを手に入れる価値がある

ありのままの自分を完全に受け入れることで、大部分の苦痛や不愉快な感覚を和らげることができます。心の中の自分とのへその緒に大量の自尊心を注ぎ込むことほど心地よいことはありません。そうすれば、情熱や許しの気持ち、そして自信といった感覚が流れ始めるのです。これらすべてに癒しの力が備わっており、自分には健やかでいる権利があるのだ、ということを思い出させてくれます。

クリエイティビティ、心の内側とのつながりを深めるスタート地点

ボリス・シリュルニクはフランスの神経学者・精神科医で、『憎むのでもなく、許すのでもなく − ユダヤ人一斉検挙の夜』などの有名な本の著者でもありますが、彼が新たな作品を発表しています。そのタイトルは『Escribi Soles de Noche』というものですが、まだ英語や日本語には翻訳されていません。この本では、心の中の自分とのつながりやトラウマの克服におけるクリエイティビティの重要性が語られています。

困難な状況では、文学や詩歌、芸術、そしてシリュルニクにとっては音楽などのアートほど爽快感を得られ、自己を深めて心の内側に触れるために重要なものなどないはずです。どんなアクティビティであれ、それを行うことで心の中とのつながりが生まれ、何かを創造できるような作業であれば、痛みを和らげる力や自由を得る力、そして再び自己に触れて癒す力が秘められています。

そうして初めて、バラバラになった心のかけらを拾い集め、新たな自分に生まれ変わることができるのです。その新しい自分は、これまでよりレジリエンスがあり、自由で幸せになる準備ができていることでしょう。ぜひそのことを忘れないでおいてください!


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