ティーンエイジャーと睡眠:どうしてそんなに必要なの?

どうしても朝早く起きてしまうという人々がいる一方で、ずっと寝ていることができる人々がいます。特に、思春期は、寝ても寝ても寝足りないということも起こります。一体どうしてなのでしょうか?
ティーンエイジャーと睡眠:どうしてそんなに必要なの?

最後の更新: 23 3月, 2021

お昼近くまで寝ているなんて、単なる怠けだと思う人は多いでしょう。どうしてうちの子はいつまででも寝ているのかしら、と不思議に思うお母さんやお父さんもいるでしょう。もしかすると、将来に希望がないのかしら、やりたい事がないのかしら、と考えてしまうかもしれません。自分の部屋を片付けない等、他の”ぐうたら”した行動と結びつくこともあります。

我が子がダラダラしていたら、腹が立って仕方ないという親は多いのではないでしょうか。お昼前に起こそうとして機嫌が悪くなられた時は、特に嫌な気分になるでしょう。寝癖のついたボサボサの髪でとりあえずリビングルームに来たものの、イライラしていたり気分が乗らない様子かもしれません。

実は、このようなティーンエイジャーの姿が見られるのは、あなたの家だけではないのです。ティーンエイジャーはよく眠ります。このことがこの年代特有の不安定さの一部を形成することを証明した資料があります。

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テストステロン

ホルモンの増加は、青年期の男子の睡眠サイクルに変化をもたらします。男子の脳は11〜12歳頃に再プログラミングされ、テストステロン受容体が概日リズムを変えてしまいます。これにより、ティーンエイジャーは就寝時間が遅くなり、起床時間も遅くなるのです。そのため、お昼まで寝ていることは親に対する反抗ではないのです。もしかすると本人の意思ですらなくホルモンのしわざかもしれません。

テクノロジー

概日リズムを変えてしまうのはホルモンだけではありません。テクノロジーの乱用もこのリズムを変えてしまう原因です。コンピュータやコンソールを使ったゲームに関するサイバーテクノロジーの使用に関する研究は、すでにいろいろ行われています。特にティーンエイジャーは、多くの時間をこのゲームに使っています。こういったゲームは、中毒性から注意欠陥障害まで様々な状態を引き起こすとして知られています。

放課後や宿題が終わった後、ティーンエイジャーは夜遅くまでサイバースペースの世界に入り込みます。学校によっては、朝早くから始まる所もあるでしょう。つまり、ほんの数時間(6時間ほど)しか睡眠時間が取れないという事です。ですが、実際は10時間ほどの睡眠を必要とする年頃なのです。

ティーンエイジャーは朝遅く起きる傾向にあります(ゲームのせいではなく、時間生物学上)ので、学校が始まる時間をもう少し遅くすると、効果的に学習ができるかもしれません。

ビデオゲーム

ビデオゲームは、カラフルな色にあふれ、とても楽しいものです。ティーンエイジャーは、次のレベルに進んだり、相手を倒すまで何時間も続けたくなるでしょう。一言で言えば、この種類のテクノロジーはアドレナリン、コルチゾール、ドーパミンの分泌を刺激するのです。エネルギーと喜びを与えてくれるでしょう。

アドレナリンは、反射神経を加速させ、迅速な反応ができるようになります。コルチゾールは、活動的にしてくれるでしょう。ドーパミンは、喜びやご褒美を求める力となるでしょう。

ビデオゲームをするとき、人工的な電気の下でプレーします。これにより、メラトニンの量が下がります。メラトニンは、眠りを誘う上で欠かす事ができません。ティーンエイジャーが就寝すべき時に就寝できないのはこのためです。

この他にも覚えておきたいことがあります。性別に関わらず、ティーンエイジャーは、自分のバウンダリーを知りません。そのため、ゲームをやめるべき時、ネットサーフィンを止めて休憩するべき時がわからないというのは、いたってよくあることなのです。

そのため、親は子のバウンダリーやガイドラインを決めてあげるべきです。ビデオゲームのコンソールやコンピュータは安全に使うべきだということを教えましょう。

エストロゲン

男子のテストステロンと同じく、女子のエストロゲンも心や体を様々な方法で子どもを揺さぶります。睡眠もその一つです。エストロゲン受容体は、視交叉上核に働き脳細胞で活発化します。これらの受容体は、ホルモン、気分、睡眠、体温のリズムを整えます。

エストロゲンは、呼吸をコントロールする脳細胞に影響を与えるだけではありません。女性の成長ホルモンと睡眠のリズムも活発化するのです。女子の睡眠パターンは、8歳〜10歳頃に変わり始めます。

睡眠調節と松果腺

視交さ上核は、メラトニンと共に、松果腺を通して概日リズムを正常化する領域です。松果腺は視床下部内側野からの神経細胞の集まりです。

視交さ上核は、内部、または内因性時計を形成します。この部分は、目の網膜を通して周囲光についての情報を受け取ります。網膜は、形や色を見分ける光受容体を含みます。また、網膜には神経節細胞があり、これにはメラノプシンと呼ばれるピグメントが含まれます。これが、網膜視床下部路を通して視交さ上核へ情報を運びます。

視交さ上核は、明暗サイクルに関するこの情報を受け取ります。そしてそれを解釈して上頸神経節に送ります。そこから、返答としてメラトニンホルモンを分泌する松果腺にシグナルが再送信されます。メラトニンの分泌は日中は少なく、夜間に多くなります。

メラトニンとセロトニン

セロトニンはメラトニンのホルモン前駆体です。セロトニンは、リラクゼーションや心の健康の神経ホルモンです。従って、もし一日の終わりにあなたが幸せでリラックした状態であるなら、メラトニンがより良い受容体に与えられるでしょう。

一方で、ストレスを抱えた状態であれば、眠りに付くのをコルチゾールが邪魔します。これは、コルチゾールがセロトニンとは逆の影響を与え、メラトニンの生成を遅くするからです。従って、ティーンエイジャーがテレビゲームなどで興奮すると、コルチゾールが眠りに落ちるのを妨害するのです。

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小児期および青年期の脳波と睡眠

研究によると、9歳の時点での睡眠中の男子と女子の脳波は同じです。ですが、12歳までには、睡眠中の女子の脳波は、男子と比べると37%まで変化します(Brizendine, 2006)。

女子の脳は男子の脳よりも早く進化すると研究者は結論付けました。キャンベルは、女子の脳にある余分なシナプスが、男子の脳よりも早く減ることを指摘しました。これにより、早く成熟するのです。

その他、睡眠の専門家が概日リズムと呼ぶものも重要な点を含んでいます。体の中のコルチゾールの影響に関連しています。

  • 自然に毎朝早く起きることができるヒバリタイプ。夜遅くまでパーティをして騒ぐことは辛いというタイプの人々です。
  • お昼まで寝ていられるフクロウタイプ。夜になると元気が出て、何時間でも起きていられる人々です。

お昼まで寝ている=怠けではない

以上のことを考慮すると、ティーンエイジャーがお昼まで寝ているからと言って、必ずしも怠けているというわけではないということがお分かりでしょう。生理的な問題が関係しているのですね。

ですが、フクロウとヒバリの問題はさておき、中には怠けてばかりいるティーンエイジャーもいます。全ての人がホルモンやテクノロジー利用のせいではないということです。

つまり、個々の状況を考慮することが大切なのです。場合によっては、親はどうするべきか、例えばテクノロジーの使用時間帯などを考えるべきかもしれません。

時々お昼まで寝ていることがあったとしても、それは子どもたちの反抗でも犯罪ではありません。ですが、続くようであれば、原因を知り、解決する方法を考えましょう。

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睡眠不足 は大人やティーンエイジャーによく見られます。瞬時の喜び、過剰な刺激、忍耐不足がはびこる世の中で、睡眠などの基本的ニーズは後回しにされがちになっています。また、コンスタントに変化する労働時間や様々な人工照明、そこら中にあるテクノロジーなど、すべてが睡眠を妨げる原因になっています。